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吾輩は聖女さまである。  作者: ころん
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2.ボタンを見ると思わず押してしまう習性なんです。

ーーー首が痛い。


鉄で出来ているだろう、やたらデカくて丈夫そうな扉を見上げようとしてララが後ろに倒れそうになる。

サッとロキに背中を支えられるが、体勢を直すどころかまるでリクライニングの椅子に寛いでいるかの様にロキに全体重を預けて、そのまま話し出した。


「凄いわね!こんなでっかい扉必要かしら?なんにしろお金は持ってそうね。ねっ、ロキ」


ロキもロキで然程この体勢に疑問を抱くわけでも無く、普通に会話を続けているのを見るといつものことらしい。


「そうだね。きっと沢山溜め込んでるよ。」


無表情が標準装備の彼だか、声色が心なしか明るく感じる。

二人は暫く扉を眺めていたが、ララがやっと体勢を直す素振りを見せたことで動き出した。


この扉ってどうやってノックすればいいのかしら?このまま叩けば確実に手を怪我しちゃいそうだなとララが考えているとロキがなにか見つけたらしく手招きする。


「何?なにかあったの?」


ロキが指差す先にボタンらしきものがあるのを見てララがこれなにかしら?とポチッと押す。すると、


《 ピンポーン》


いきなり鳴った大きな音にビクッとなったララはロキの背中に張り付いた。


『はい。どちら様でしょうか?』


ボタンの上にある箱から女の声が聞こえたが、ララはどこから声がしたのか解らないのかあたりをキョロキョロと周りを見渡している。


「私たちはサンシャイン教会の者です。ここに居ります聖女さまが貴方がたに祈りを授けに参りました。」


ロキが箱に向かって応えるのを見て急いで佇まいを直したララはその顔に聖母の如き笑みを浮かべ、鈴の音の様な可愛らしい声を響かせて


「主のご加護があらんことを」


と胸の前で手を組んだ。


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