とある日と名付けよう。
とある日。そう言っておこう。
本当は今日のことかもしれないし、実は何年も前の話かも知れない。
もしかすると、どこにも本当のことは言っていないかもしれない。
全部妄想で、夢で空虚に創られた話かも知れない。
いやいや、これは全部実話から来た話だよ。
そんな風に語り始めるのも悪くない。
――僕はね。
そう言うと、さながらこの世界の神のように自由に猛弁を振るうのさ。
傲慢と捉えたかい?
自虐ネタだと嘲笑う?
チッチッチ。
舌を鳴らしながら、僕は指を振るう。
とても、とても残念なお知らせです。
ピ―――
ピ―――
僕が語り始める物語の始点はココだそうだよ。
ビ―――
ビ―――
笑った?泣いた?怒った?
本当に、本当に残念なお知らせです。
【小話集】と、名付けましょう。
失望した?恐怖した?孤独に嫌悪に醜悪を掻き混ぜて。
さあ―――
トュルルルルルルr
はあ、僕はわざとらしくため息をついた。
どうやら、時間のようだ。
また、縁があらんことを。
バイバイ。