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【休載中】(初稿版)本能寺は止めない、だが光秀は死なせない 〜未来を知る将軍・足利義昭、戦国を動かす〜  作者: 細川 雅堂
第三章 怪物たちの政治

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第十五話 信長と将軍の怪物対決

京。

将軍の居城。


朝の京は静かだった。

だが──その静けさは突然破られた。


「明智様……!」


息を切らした家臣が言う。


「信長公が……来られました」


光秀の胸が跳ねた。


(将軍様の居城へ)

(信長公が来るなど……)


(これは……戦だ)

(刀ではなく)

(未来の戦いだ)


藤孝が息を呑む。


「……本当に来られたか」


光秀は喉が乾くのを感じた。


廊下の向こうで足音が止まった。


音は小さい。

だが──空気が変わる。


重く、冷たく、鋭い。


信長が姿を現した。


何もしていない。

ただ歩いているだけ。


だが、居城の空気が押し返される。


藤孝が息を呑む。


光秀は理解した。

(このお方は……)

(人の圧ではない)


信長は光秀を一瞥した。

その目は、未来だけを見ていた。


襖が静かに開く。


義昭が現れた。

信長を見る。


そして──一歩も引かない。


光秀は震えた。

(このお方も……)

(怪物だ)


二人が向かい合った瞬間、空気が張り詰めた。

誰も息をしない。


信長が初めて口を開いた。


「将軍」

「天下をどう見る」


義昭は即答した。


「人が動かす」


信長は笑った。


「違う」

「力だ」


義昭は微動だにしない。


「違う」

「構造だ」


義昭は続けた。


「人を動かす構造が」

「世界を動かす」


光秀の背筋が凍った。


(この二人は……)

(同じものを見ている)


(だが、方法が違う)


信長は世界を壊す。

義昭は世界を書き換える。


光秀は理解した。


(どちらも正しい)

(だから──ぶつかる)


二人は、同じ未来を見ている。

だが──そこへ至る道が違う。


光秀は胸の奥が痛くなるのを感じた。


(この二人が争えば……)

(戦国は……壊れる)


信長は笑った。


「面白い」


「将軍」

「戦だな」


義昭は静かに言った。


「戦ではない」

「政治だ」


光秀は震えた。


(怪物が二人)

(戦国が──壊れる)


そして光秀は理解した。


(私は)

(この二人の間にいる)

ここまでが第三章「怪物たちの政治」の山場です。


信長。

将軍。

そして、その間にいる光秀。


ここから物語はさらに不穏になります。

もしよろしければ、感想などいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
信長と、義昭の関係性というか 会話いいですねぇ! お互い短い会話だし、笑ってるけど 深い感じ! 分かってる者同士のワンランク上の会話みたいな!
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