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【休載中】(初稿版)本能寺は止めない、だが光秀は死なせない 〜未来を知る将軍・足利義昭、戦国を動かす〜  作者: 細川 雅堂
第三章 怪物たちの政治

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第十四話 信長が将軍を理解する

安土城・本丸。


四国討伐の軍議は、朝から続いていた。

だが──進まない。


広間の空気は荒れていた。


勝家が巻物を叩きつける。


「朝廷が口を出してきおった! 寺社も反発しておる! 公家まで……!」


長秀が眉を寄せる。


「信長様。このままでは、四国の出兵日程が……」


勝家が吐き捨てる。


「将軍が余計なことを……!」


信長は書状から目を離さずに言った。


「将軍は戦っている」


「しかも──勝っている」


広間が止まった。


勝家が言葉を失う。

長秀が息を呑む。


信長は書状を指で押さえた。


「軍ではない」


「人を動かしておる」


「政治でな」


勝家は理解できないという顔をした。


「政治……?」


長秀は静かに言う。


「……朝廷、寺社、公家、堺……すべてが、将軍様の動きに反応しております」


信長は笑った。


「戦場が違う」


「将軍は武士と戦っておらぬ」


「国と戦っておる」


勝家は拳を握る。


「信長様、四国討伐は……」


信長は淡々と事実を並べる。


「朝廷は“慎重に”と言う。寺社は“乱を憂う”と言う。公家は“調停すべき”と言う」


「堺は沈黙しておる」


「それが一番怖い」


長秀が息を呑む。


信長は書状を置いた。


「将軍は、国を動かした」


信長は小さく笑った。


「見事だ」


勝家は震える声で言う。


「信長様……このままでは軍が……」


信長は立ち上がった。


「軍は遅れる」


「だが──」


「革命は遅れぬ」


勝家が驚く。

長秀は静かに息を吸った。


信長は天守の窓から京の方角を見る。


「将軍は構造を使う。朝廷、公家、寺社、商人……すべてを同時に動かす」


「速さでは勝てぬ」


長秀が問う。


「では……どうされます」


信長は笑った。


「面白い」


勝家が目を丸くする。


信長は続けた。


「将軍」


「遊んでやる」


信長は京の方角を見た。


「革命は」


「止まらぬ」

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