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ご主人様の手足を噛むと、とても喜んでくれるみたい  作者: さらん


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2/2

俺の庭

予定していなかった2話目です

今回のお話も楽しんで貰えたら最高です

俺の庭は広い

俺自身が行けない箇所もあるが、そこも俺の庭に違いない

なにしろ、世界は俺なんかよりもずっとデカイ

だから、視界全部が、俺の庭なのだ


だがしかし、俺の行動範囲はそれほど広くはない

四角い場所を埋めつくしている池と、ほんの少しの陸地だけだ

だが、なにも問題はない


俺は、いつも水の中で生活している

水の中で、一日中ゆったり浮かんで過ごすのだ

水の中なら、俺は自由だ

自在に動くことができるのだ

きっと、お前よりも泳ぐのは得意だぞ


陸地は少ない

池よりも、とても狭い

俺は時々だが、この陸地の上にでる

日向ぼっこだ

たまに、そうやって外に出る

そう、気分転換にちょうどいいのだ


おお、そう言えば言い忘れていたが、俺は「ミドリガメ」と言うのだそうだ

20数年前から、ここに住んでいる

正確には、俺の世話係と一緒に引っ越したらしいが、俺の庭は変わらない

ただ、景色が少し変わっただけだ


そう言えば、ここに来た頃は俺もまだ小さかった

流れる水の中で、俺も一緒に回ったものだ

あれは、少し目が回ったな

だが今は、俺も大きくなった

あの頃の何倍も大きな庭に住めるようになったからな


俺の庭は、住むには最高だ

毎日、ご飯がやってくる

池の水も、俺に馴染んでいる

その中には、濃い緑色の物も勝手に生えてくる

こいつらが生えている事がだいじなんだ


たまに、狭い所に押し込められるのが、とてもイヤだ

ほとんど身動きできなくなる

水もないから泳ぐこともできない

狭いから、頭を伸ばして外の景色を見られることだけが、唯一の救いだ


だが、問題なのはそこじゃない

元に戻った時、せっかく馴染んだ俺の水が、なにか透き通ってしまうのだ

程よく濁っていて、よく馴染んでいた水が無くなってしまうのだ


そして、緑色の少しベタベタしたものも一緒に無くなってしまう

せっかく気持ちよかったのにだ


この後、また俺に馴染むまでは、少し居心地が悪くなってしまうのだ

実に大きな問題なのだ


一度は浦島太郎に出てくるような、立派な姿にもなれたのだが

何故か今はそれも無くなってしまった

とても、残念だ


俺は何時でも悠々自適だ

羨ましいだろ


たまに、俺の庭から外を見てやるのだ

外には、やたらとデカイ生き物が彷徨いている

その内の一匹が、俺のご飯を出してくれる

狭いところに押し込むのも、こいつなのだが


他の奴も、たまに俺を外から見てきやがる

ヤツと目が合うんだ

だから、俺はヤツに向かって手を伸ばすのだが、ヤツは一度もこちらに手を伸ばしゃしない

小心者なのだな、多分


庭の中に、ブクブク言うやつが一緒にいる

ブクブクは、不快だ

だから、いつも殴ってやるんだ

そうすると、ヤツは黙るから、気分がよくなる

なのに大きなヤツが、またブクブクさせやがるんだ

俺は、その度に殴って黙らせるのだ

何回か繰り返せば、あの大きなヤツも諦めるからな


こうして、俺の優雅な日常は守られるのだ


~ おしまい ~

また、いつか思いついたら、話を追加したい思っています

ただ、約束は出来ませんけれど

では、ありがとうございました


m(*_ _)m

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