表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姫さん  作者: ぺんなす
2/19

見知らぬ優しい人

車に乗って着いた場所は場違いな空気の漂う高級住宅街。目の前には真新しい一軒家。ついこの前完成したみたいなキレイな建物。


「お姫さん。行くよ?」

「あ……」

そんな場所に遠慮なく入っていくこの人は車に乗ってから私の手を離していない。車に乗ってから色々聞きたいことはあったのに手を握られているのが気になって結局何も聞けなかった。


キレイな建物に入っていくと、落ち着いた雰囲気の世界が広がっていた。

目に入るものすべてに見慣れない私は、異世界に連れてこられた気分だった。

「ここがお姫さんの新しい家だよ」

変わらず私の手を握ったまま微笑んでいるその人は、この場所を私の新しい家だと言った。

「ここが、私の?」

「うん!あ、お姫さんの部屋はこっちだよ」

私の手を引いて部屋の紹介が始まった。

終始戸惑っている私と、ずっと微笑んでいるその人。はたから見ればとても奇妙な二人だ。

「うん。これで全部かな。一通り案内はしたけど、なにか聞きたいことはある?今じゃなくても何かあったいつでも何でも言っていいからね。お姫さん」

ただ一人満足げなこの人に少し苛立ちを覚えたけれど、それよりもまず今この状況をきちんと把握しなければと、苛立ちをグッと抑えて

「あなたは、誰ですか」

私はようやく言葉を口にすることができた。

「あ!ごめんね、お姫さん。俺、君に会えたのが嬉しくて何も説明せずに連れてきちゃった。俺は一之瀬。お姫さん、これからよろしくね」

その日、彼の笑顔が崩れることはなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ