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真実とは

 俺は嘘つきである。

 息を吸うように、うそを吐くし。飯を食うように、人を騙す。

 それが俺の生き方だ。

 

 ともだち?

 そんなもん知らん。


 なんだ、友達がほしいのか。

 なら、やめとけ。

 その友達とやらは、お前を裏切る。

 必ず、裏切る。

 だから俺の言葉だけを信じろ、俺はお前の味方だ。嘘かもしれないが。


 それを決めるのは、おまえ次第だ。

 人生は他人任せじゃダメだ。

 自分を信じろ。

 お前を信じる、自分を信じろ。

 そして自分に騙されたらいい。


 その期待は、必ずお前の望む結果につながるとは限らない。

 努力は必ず報われる。

 あれは、嘘だ。

 その言葉を信じて、努力するお前。ご愁傷様。騙されたな。

 そう落ち込むなって。なにも騙されているのは、お前だけじゃない。みんな騙されてる。

 その事実に気づけただけでも、お前は成長した、俺がお前を褒めてやる。

 誇ってやる。

 お前は、賢くなった。

 そんな自分を、誇れ。


 まあ、俺は嘘つきだから、いま言ったことは、全部うそかも知れないが。

 それを信じるかは、おまえ次第だ。


 さて、ここまで長い文章を書いてみたが、そろそろ自己紹介といこうか。

 と、思ったが、やっぱやめた。

 俺が名乗っても、それが『本当』の俺とは、限らない。

 言っただろ。俺は()()つきだと。

 だから、あえて名乗らない。

 

 だから、このまま俺で行こうと思う。

 こういうのも、ありだろ。


 そして、()()()()物語が始まると思った、そこのお前。騙されたな。これは物語じゃない。俺はお前を騙すために、怪奇文(偽書)を書いているんだ。

 これも、何かの教訓と思って、勉強していってくれ。

 もう、語ることもなくなってきた。俺の引き出しの中は、そこが浅いようだ。紙一枚入ってない。だから、ここで終わろうと思う。


 





 さっきのは嘘だ。また騙されたな。

 ほんっと騙し甲斐がある。

 そう怒るなよ。

 べつに俺も騙したくて騙したわけじゃない、これが俺の生き方なんだ。許してくれ。

 そんな、俺でも許せない嘘がある。それは傷つける嘘だ。

 こんな嘘つきな俺でも、人を傷つける嘘だけは、許せない。

 それは、嘘つきとして恥じる行為だ。


 人を騙すなら、最後まで騙しきること。それが嘘をついたものの責任であり、義務である。それが出来ないなら、嘘をつく資格がない。才能が無いということだ。


 俺は最後まで、騙し切る。

 それが、たとえ嘘であったとしても。その人にとっては、真実だ。その真実が、嘘に変わってしまわないように、俺はその人を全力で騙す。

 こう言うのを何っていうか知ってるか。偽善者って言うんだぜ。


 まあ、それでもいいよな。それしか生き方を知らないから。


 きっと、ろくな死に方をしないだろうぜ。

 

 人の心は、箱と同じだ。

 箱の中身は、何が入ってるかわからない。

 中には、自分が望むものが入っているかも知れない。

 逆に見たくないもの、望まない結果(絶望)が詰まっているかもしれない。

 それは開けた人にしか分からない。

 もしかしたら、何も入っていない可能性だってある。


 恐るな、行動しろ。


 行動した者に、未来がある。

 人生は、そうやって作っていくもんだぜ。


 やっぱり、偽善者だな。


 たまには、誰かの()()を信じてみるのも、いいじゃないか。

 人はそうやって成長していくのだから。


 結局、最後まで物語じゃなかったな。

 そういった意味では、最後まで騙せたんじゃないか。


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