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短編

キャンパス

作者: 岡田公明

無邪気なあの頃

俺は真っ白で無限に続く紙に筆を置いた

あの頃は良かった 誰もが夢を抱き

叶うものだと信じていた

消防車や電車になりたいという人間もいた

仮面ライダーに憧れる人間もいた

サンタは✖︎✖︎だと知らなかった…

しかし、現実とは残酷で徐々に無限の可能性を抱いていたそのキャンパスには

筆を置かなくなってしまった

あれから何度年が過ぎたのだろうか


もうあの頃いた親はいない 職は定年が来てしまい

無くなった これから何をしようか そんなことを考える

よくよく考えると自分の人生には仕事しかなかった

縁談なども後回しにして 常に仕事と向き合ってきた

あ〜あ これだけ広い部屋があっても俺はここで一人なんだと実感させられる

そう考えると ふと俺の人生ってくだらないなと思ってしまった

その時何故か知らないが 無性に整理をしたくなった

部屋のありとあらゆる場所を漁った

すると 家族の写真や卒業アルバムがたくさん出てきたのだ


でも…


違う!これじゃない


何故だか自分が探しているものが何か気づいているようだった


そして、1つの段ボールに手をかける

中には何度も開いたり閉じたりしたのだろう 昔の自分の汚い字で名前が書かれた

自由帳が入っていた


中は白紙だった それを見たとき 何故か嬉しくなった


昔は描けなかった

その小さな小さな自由帳に


僕は

ペンを置いた。

あなたは自由帳に何を描きますか?

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