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ルイス編 2.「文化の違い」

こんにちは、はじめまして拓知 恵野です。

今回はルイス編の第2章目をお送りします。

主な登場人物につきましては『ジューヌ 登場人物』からご参照よろしくお願い致します。

 部員達の要請で長崎と芝原は臨時アシスタントとして軟式野球部の練習に参加することとなった。元全米代表チームの一人だけあってルイスは初日からストイックに練習に取り組み、部員達を圧倒させた。芝原も長崎や軟式野球部の部員達の協力もあり徐々に慣れていった。

そんなある日、篠村が芝原に相談に来た。

「芝原さん、ルイスどうにかならないのか?」

「え?どうかしたのですか?」

「あいつ、俺達の練習を否定して困ってるんだ・・・。」

「全体練習に…?詳しく聞かせてもらいませんか?」

芝原は不思議に思いながら尋ねた。

「実はランニングをやる時に、自主性を削ぐような練習に参加したくないと言って単独でランニングを始めたり、俺達が投球フォームについてアドバイスをするも聞く耳を持ってくれなくて大変なんだ!!」

「そうなんですかぁ、たしかにアメリカの練習は日本みたいに集団での練習はあまりやりませんからね・・・。わかりました!話してみます!」

「そっか!ごめんね!ありがとね!」

練習後、ベンチで道具整理をしていた芝原は偶然ルイスと会い、直接聞いてみることにした。

「調子はどうですか?」

「いい感じだよ!!」

「そうですか!チームメートとは仲良くやっています?」

「あぁ。!!」

「そうですか。それはよかったです。」

話が盛り上がったところで本題に入った。

「 そういえば、日本の練習に馴染むのに苦労しているみたいですけど大丈夫ですか?)」

「何?俺孤立してるとでも言いたいの?」

ルイスは笑いながら言った。その姿はまるで人を見下しているようであった。

「いいえ、そではなくて・・・・。」

ここで一喝すればチームの雰囲気を壊してしまうのではないか。しかし、公式戦が始まるまでルイスの面倒を見るよう頼まれている。下手に甘やかすことはできない。芝原は意を決して言った。

「そうです。いくら練習内容がアメリカと違うからといって批判ばかりするのは間違っています!ここでプレーしたいならチームの方針に従ったほうが身のためです。」

「なっ・・・何言ってんだよ?俺の経歴知ってるのか?州大会で2度優勝し、全米代表にも選ばれた人間だ!!君に言われる筋合いはない!!)」

そしてルイスは最後にこう告げた。

「君はただ、俺の通訳だけしれりゃいいんだよ。まっ!兎に角、来週の練習試合楽しみに見ていてくれよな!」

そう言い残してロッカールームを去って行ったルイスを芝原はただ心配そうに見ていた。


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