ブレストも大忙し。
ブレストのドイツ艦隊も突然の移動を命ぜられ、てんてこ舞いである
状況が一変したため戸惑うのは、ブレストのドイツ艦隊でも同じであった。
海軍司令部から、ビスマルク以下、先の空襲で大破したヒッパー以外の、早急な移動を命ぜられたからだ。
まずは本国水域への移動である。
下宿から荷物を持ち出すことやら、その他片付けなきゃいけない「人間関係」もある者もいる。
しばらくブレストに腰を落ち着けていた間にできた「女性関係」がある水兵なんざ1人や2人でないからだ。
涙あり、修羅場あり、様々な形で収めつつ本国水域へ出発である。
また「休戦」ではあるものの英仏海峡の無害通行には、若干の不安を感じるものも多かったのだ。
各艦とも、内心の不安を抱えつつ、急いで出航していく。
一方、本国水域に回航されることから、久しぶりに家族、恋人に会える者は、内心の喜びを隠せない者も多かった。
慣れない外国、続く空襲は、それなりにストレスを感じる生活でもあったからだ。
英仏海峡通過中は一応、各種火器には兵員を配置したものの、無事通過した。
また心配された機雷についても掃海作業を妨害されることもなく、掃海できたからこちらも事故なく、突破できた。
次なる戦場は、北海からバルト海にかけてである。
司令部からの情報ではまだ詳細は未定であるが、場合によってはアメリカ、イギリス海軍と連携しての作戦もあり得るとのこと。
なんとまあ、不思議な展開である。
まだ戦争は続くようだが、終わりが見えるか?




