ボマーコマンドもびっくり
突然の基地の移動命令。いずこへ?
「ドイツへ?」
「何を今さら。今日もウィルヘルムハーフェンを叩きに行きますが?」
「へっ?はっ!はい。解りました、とりあえず先遣隊がいつ出せるかまずご報告致します。
主力の移動完了予定、作戦開始予定についても改めて報告します。」
「司令、どうしました?」
「俺も驚いたが、ドイツに移動だ。ドイツ東部の基地に移動し、そっからソ連の前線を叩く。とりあえずドイツ野郎とは休戦だ。
チャーチルの親父が気が触れたかどうか知らんが、ハリス御大からの命令だわ。洗いざら持って行く用意しとけ。」
この日同様の会話が、ボマーコマンド指揮下の各飛行隊で行われ、各隊は大わらわになったもんである。
大はランカスター、小さいのはペットのウサギまで輸送するのは大変である。
たちまち、Cー47の大群が現れて片っ端から積み込む。
またそれでも足りなきゃランカスターの主翼とか流用したヨークも来る。
この日からしばらく、ドイツ市民は頭上をごうごうと飛んでいく大編隊に肝を潰すのである。
先に行った連中は、現地のドイツ空軍の連中と、あーでもない、こーでもないと打ち合わせしながら、小さなドイツ空軍の施設を拡張していく。もともとは戦闘機の発着だけを考えて作った飛行場だから、一から作り直しみたいなもんである。
まずは現地の部隊の協力を得て(様々な食料を含む補給物資の横流しが一番効果を発揮。)整地された滑走路の延長部分には、ばらして運ばれたマーストンマットを敷き詰め、滑走路とエプロン地区を作り、天幕を張って指揮所を作り無線を設置。
さらに離れた場所にアンテナを立て、有線の電話回線を敷設、居住用の天幕は後にカマボコ兵舎に建て替えられる勢いである。
また多量の燃料を置くスペースも離れた場所に給油所を設置。
さすがにランカスターを修理できるようなでかい天幕はないから当面は雨ざらしでの整備作業だが仕方ない。
とにかく、ボマーコマンドから示された「期限」が、「ソ連軍の第二次バグラチオン作戦開始日前日とは知らされぬまま、作戦準備に邁進するのである。
さあ間に合うか?




