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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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投下されるトールボーイ

なんとかランカスターがブレスト上空に侵入しました

ブレスト上空が手薄になったところで、トールボーイを搭載したランカスターが殺到する。

しかも、いつもブレスト攻撃の際に邪魔な発煙装置からの煙も折からの風で吹き払われている。

精密な目視照準の必要なトールボーイ投下には、絶好のチャンスである。

しかも、迎撃戦闘機は護衛のPー51に牽制されてるあいだが唯一、チャンスだからである。


高射砲やら充実したブレスト上空では得難いチャンスを前に爆撃隊は爆撃行程に入る。


1番機は第1目標のビスマルクを照準器に収めつつ進入して行く。


後は「Bombs

Away!」のコールを聞けば終わり、である。


その時、照準器の片隅からなにやら上がってくるもんが見える。

それはこちらを指向している!

「ブレーク、ブレーク緊急回避!」

とっさにパイロットはスロットルを開いて右旋回をかける。

いい加減、過荷重のランカスターだが、必死の旋回は間に合った。

電信柱のようなロケットが先ほどまで自機のいた場所をかけ上がる。


回避はしたもののまた爆撃行程をやり直そうと旋回するが、先ほどのロケットは、後続機をも襲っている。


今度のは少しずんぐりした型式のようだが、定針して投下寸前の2番機を直撃した。左の1番エンジン付近に命中、そこから先の外翼をあわせて吹き飛ばす。


過荷重できつい時に、急激に揚力のバランスを失ってしまったのだ。

爆撃手は、即座に緊急投棄スイッチを操作し爆弾を投棄したため、なんとか態勢を立て直す。


捨てられた爆弾はあっという間に音速を越え、落下している!

港内に落下したトールボーイは派手な水柱を上げ、それから衝撃波が叩きつけてくる。

さすがのビスマルクも動揺する位である。

2番機の様子など見ながら、なんとか離脱し、再攻撃を意図する1番機だが、後方の編隊は、しっちゃかめっちゃかになっている。


対空火器に捕捉されて、墜落するもの、2番機同様、爆弾投棄を強いられたもの、まともに投下できるものはほとんど無い様子である。


どうにか再度爆撃行程に入れそうなのは、1番機のみであるのを確認し、再度行程にはいる。

ところが、あの忌々しい発煙装置からの黒煙が目標を覆い隠す。

爆撃手は一瞬、ためらうが投下ボタンを押す。

後は爆弾の仕事だ。


投下されたトールボーイの行方はいかに?

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