ソ連軍の英米への不信感の高まり
バグラチオン作戦の破綻の原因は「英米の怠慢や非協力的態度が原因だ」とソ連軍情報部は責任転嫁?とも取れるレポートを提出したが
ソ連軍情報部の戦訓分析によれば、バグラチオン作戦のソ連軍敗退に大きく影響したのは、イギリスからの電子技術供与が拒否されたのが大きいとわかってきた。
ソ連が求めた新型は拒否され、一昔前の捜索レーダーのみの供与になった。
さらに供給台数が限られたことから、各地のレーダーステーションの配置にはカバーできないギャップが存在するようになっていた。
一方で、ドイツ空軍のヤーボ、戦闘爆撃機は技量の許す限りの低空飛行で、ソ連軍前線飛行場を襲撃した。
この戦術ではレーダー警戒網をかわして目標に接敵できたので、「敵襲」の時には「敵機直上」となっていた。
さらに巧妙な作戦はドイツ軍が大量に保有する捕獲したソ連軍機を活用したことである。
まだソ連軍とて旧式戦闘機など第2線任務で使っているから、目視しても必ずしも見破りにくいのである。
わずかな時間でも敵味方識別に「戸惑い」があれば、その隙につけこめるのである。
YAKー1が低空飛行できて吹っ飛ばしたのは、レーダー操作員のシェルターだったりする。
さらに興味深いのは、捕獲機からの攻撃は、対空火器操作員にパニックを起こし、「飛んでるものは全て敵」と判断したからだ。
このため、味方基地上空の警戒にあたる、ミグやらラグやらハリケーンやらがアプローチしてきたとたんに対空火器の洗礼を受けることになり、余計な被害を増やす体たらくである。
独ソ戦開始と同様な奇襲をまたもや受けちまったソ連空軍の損害はうなぎ登りになり、バグラチオン作戦で意図した強力な対地支援が提供できなくなり、最終的な作戦の挫折につながるのだから、ソ連軍の英米に対する不信感は、沸騰点レベルに達しようとするのである。
現実には、「ソ連軍の油断」でありますが、このようなレポートが出されていくうち更なるトラブルが起こります




