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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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「帝国の逆襲」作戦の余波

ソ連の冒険的な反攻作戦「バグラチオン作戦」を破砕したドイツの「帝国の逆襲」作戦でしたが

この作戦が成功した背景は、自軍の最高司令部にすら秘匿した作戦にあった。


また最高司令部からの「政治的干渉」のない中で軍事的合理性にのみ忠実な作戦ができた。


そして最低限の損害で、最大の効果をあげる久々の大勝利を挙げたことは、国防軍の将軍、提督、さらには一部の親衛隊にまで「チョビ髭の伍長」への不信感をさらに増すことになった。


結局最高司令部からは、幾つもの勲章、感状などが連発され、宣伝省の「公式発表」は様々に実態を取り繕っていた。


しかしその努力も多くの兵士、將官が現実を知っていることから無効であった。

「ドイツは今のままでいいのか?」と言う疑問が、ドイツ軍の中に水面下で広がっていく。


興味深いことに、最高司令部に入り込んだソ連のスパイが「二重スパイ」と怪しまれ、ソ連軍情報部GRUは、このラインの工作とその成果は最初から疑わしいものとされ破棄されたのである。。またこのスパイは後に、自宅前で自動車事故でなくなった。

ソ連の情報関係で使われる「濡れ事」の対象にされたかもしれないと、後世の歴史家は議論したそうな。


国防軍情報部にはソ連でも、バグラチオン作戦失敗に伴う粛清やら様々な情報が入って来るが、いずれも当面ソ連軍が大規模な作戦(複数の方面軍が共同するような)を遂行する能力が粛清により壊滅的打撃を受けたことを伝えてきている。


どうやら年末の東部戦線は、敵の自滅で無事に過ぎそうである。


またヨーロッパ反攻を唄う英米を中心の連合軍も大陸反攻のタイミングをなかなか見いだせないのである。


一つにドイツ海軍が水上艦艇と空母、潜水艦、さらに長距離哨戒機も有機的に運用することに熟達してきたことにある。

英仏海峡から南北にドイツ軍が展開した早期警戒網は厳重で、これを撃ち破るには、今のイギリス軍だけでは無理、と判断された。この警戒網を突破して上陸作戦をするには、アメリカ海軍大西洋艦隊の本格的な介入も必要、とイギリスからは訴えられた。


しかし、今の時点では強力なアメリカ軍も、太平洋方面でも、日本軍とにらみ合いの最中である。

真珠湾奇襲以来、アメリカ海軍の最大の敵は日本海軍である。

なんせアメリカ海軍が開戦時点で持っていたほとんどの空母を撃沈あるいは撃破したのである。

戦艦にいたっては、考えたくもないのである。


イギリスへの支援もつらい。

アメリカ軍は就役したエセックス級空母、復活なった太平洋艦隊戦艦隊、新型艦載機などをまとめて日本に反撃する積もりである。


一方日本軍も空母不足を痛感している。

南方からの資材を空母建造に集中、雲竜級の生産に努力している。

改大鳳級も建造中である。(残念ながらこちらは実戦には間に合わなかったが)

搭載機も、有力な機体が配備されようとしている。

緒戦につまづいたが生産力を誇るアメリカ対緒戦のリードを活用し、戦線を整理、負けない戦いを目指す日本との戦いは、 長引きそうな上、海戦史上初の空母や長距離爆撃機中心という未知の戦いである。


生産力の違いは最終的にアメリカに凱歌をもたらすと予想されるが、その過程は予想がつかないと思われる。


そこにソ連の大失敗や、ドイツ国内の民意や国防軍の意向など絡むと、さらなる変化が生まれそうである。




ドイツの東西の戦線は、一時的に安定しましたが、翌年の1945年は波乱含みの展開になりそうです

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