バグラチオン作戦開始、しかし!
ソ連軍の満を持した作戦開始ですが
バグラチオン作戦は最初に大規模な砲兵、空軍による先制打撃により始まる、 はずだった。
しかし、砲撃開始のわずか3分前、各地のソ連空軍基地はドイツ軍の戦闘爆撃機に奇襲されたのである。
あたかもバルバロッサ作戦のフィルムを巻き戻したようでもある。
発進準備をしていたシュッツルモビック攻撃機は地上にて1個中隊まるごとフォッケウルフから投下された収束爆弾でやられる。
砲兵陣地では砲撃しかけた203ミリ榴弾砲が、突然爆発した、集積された弾薬により吹き飛ぶ。それも一つや二つの砲兵中隊ではない。
これは様々な方法で仕掛けられた爆弾が砲兵陣地で炸裂した結果である。
場所によっては砲兵牽引車に仕掛けられたり、時には朝運ばれたばかりの牛乳缶が爆発したりする。
また装填し発砲したとたんに爆発する砲弾まででるに至り、ソ連軍の発砲はすぐに中止される。
それでも各所に仕掛けられた爆弾は時間差をおいて爆発する。
悲惨を極めたのは集結地点て待機中の新鋭Tー34/85の旅団が連鎖的な爆発に巻き込まれた時である。
歴戦の乗員や、直接協同する歩兵まで巻き込み、たった1発の85ミリ砲弾の爆発は1個旅団を実質的に壊滅させた。
かくして本来口火を切るはずの砲兵や航空機の壊滅、大規模な攻撃の尖兵になるはずの戦車部隊の損害は第1線部隊を麻痺させてしまう。
しかも目標とされていたドイツ軍陣地はすでに撤退済みであると、前衛部隊から報告されるに至り、攻撃開始から1時間で作戦中止に なる。
これにはスターリンの怒りは大激怒と言えた。
スパイの跳梁を阻止できなかったNKVDの権威は失われ、後々べリア長官粛清につながる。
また陸軍の中にまだ旧トハチェフスキー派がいるとしてまた、ソ連軍に粛清の嵐が吹くきっかけになり、再度ソ連軍を弱体化させたのである。
さらに作戦準備が遅れたのが英米の陰謀として非難し始めた。
これは反スターリン派の結集を招くようになり翌年の大政変への伏線になる。
この作戦失敗は歴史を大きく変えるようになります




