激しい空戦の影でこそこそ
イギリス艦隊を狙う魔の手がブレスト近郊の空軍基地にありました。
実は、ブレスト沖海戦は、主力艦艇を使ったこれまた囮作戦でもある。
イギリス艦隊はブレスト付近にいる爆撃機のことを失念または無視していたのであろう。
または爆撃軍団や沿岸航空隊が攻撃を日常行っているから、ブレストの防空戦闘機だけがイメージされていたかも知れない。
実際には長距離爆撃隊がいる。
このあいだ、ベアルンが撃ちまくった対艦誘導弾の空対艦バージョンがようやくこの部隊の一部の機体に評価や教育訓練を兼ねて、配備されたばかり。
興味深いことに、その爆撃隊にはオブザーバーとして日本海軍士官がいたのである。
彼は元々陸上攻撃機乗りであり、開戦前から様々なシチュエーションで実戦を経験していた。
今回は次世代の空対艦装備と目される空対艦誘導弾の実戦でのテストに立ち会うべくブレスト付近の基地にいたのだ。
「これは新型ですな?」日本人の前にあるのはハインケル爆撃機。
「確かHe177でしたな?でも違う、、」
「ご明察、あのやくざなエンジンに見切りをつけて4発にしたモデル。公式には未完成ってことで報告書には書かないでくれよ。」
「了解、後でビールおごってもらったらいいよ(^-^)」
「はいはい!とりあえずはこいつの実戦テストにご招待するよ、少佐どの!」
ドイツ空軍少佐にビールの「貸し」を作った日本海軍少佐はハインケル社製の新型爆撃機の非公式な実戦テストに同乗する。
目標はブレストのドイツ艦隊を目指しやってきたイギリス艦隊の空母ビクトリアス!
4つのペラを回しながら意外と軽やかに離陸していくのであった。
さて厄介な荷物を積んだハインケル爆撃機、何をしてくれますやら




