イギリス海軍本国艦隊の憂鬱
これまでスカパフローに「閉塞」されていた本国艦隊がようやく戦闘加入します
「ビスマルク撃沈してやりたいんだがな!」
スカパフローからようやく出港したイギリス海軍本国艦隊である。
しかし、あまり士気は上がらない。
ドイツ軍がやらかした、大西洋通商遮断作戦についていけないのである。
同時多発の作戦は、膨大な護衛艦艇を奔走させているからだ。
なんせ今回は、ニューヨークで貨物船が出港前にやられた。これは小型潜水艇によるのはわかったが、発進場所がわからない。そのため、港内外の警戒に多くの人手、艦艇を要することになる。
さらに、大西洋岸の他の港湾、基地も守らないといけないのである。
護衛船団を組んで航海中は、新型魚雷による攻撃をも警戒しなければならない。
また、今回見られたようにドイツ空母が出没するケースでは、護衛空母がいても、安全とは限らなくなったのである。
航空索敵が重視されるようになるが、限られた護衛空母の搭載機では、負担が大きなものになってきているので、更なる空母を投入せざるを得なくなっている。
これにより、護衛空母のローテーションが厳しくなるなどの弊害も出て、十分な整備が間に合わないための稼働率の低下も問題になってきている。
そんなこんなの混乱を利用してのドイツ大西洋艦隊の出撃に、スカパフローの本国艦隊は勇躍出撃しようとした。
が、である。
いつの間にやらスカパフロー周囲の各所に機雷堰 があちこちにできている。掃海に出た掃海艇がやられてしまう事例が続発してしまう。
掃海艇の前路を小型のボートを使ってようやく、掃海艇の安全を確保できたが、時間のかかること。
結局、本国艦隊はビスマルクらの跳梁を指をくわえて見ているしかなかったのである。
ようやく、出撃できたと思いきや隠れていたドイツ潜水艦からの音響追尾魚雷に追いかけられ、かわしたものの、無理な機動が原因でロドネーが機関故障、再度スカパに戻る羽目に。
ネルソン、アンソン、修理なったウォースパイト、ビクトリアスらは出撃 してドイツ艦隊の捕捉に向かうが、後手に回ることになる。
一番のチャンスはノース海峡辺りにドイツ艦隊が来襲したあたりであったが、それを逃がしたばかりに、後はノース海峡を抜けて、ブレストに向かう航路で探さないといけなくなったのである。
本来はもっと高速を出せる巡洋戦艦あたりで追撃したいが、あのフッドを撃沈された戦例から踏み切れず、低速だが撃たれ強い戦艦戦隊での追撃になってしまったのだ。
そして途中からどこからともなく潜水艦の襲撃をかわしながらの捜索は、ずいぶんと神経を消耗させ士気を低下させたのである。
そして満を持して、準備していたドイツ大西洋艦隊主力と遭遇したのであった。
ついに主力艦隊の交戦です




