原爆スパイ事件への英米の対応は?
ソ連のスパイに憤懣やる方ない英米の首脳ですが、さあどうするか?
オーガスタはようやく、スカパフローに入港して、補給休養となった。
そして乗艦していた大統領はスカパフローに入港直前、横付けした巡洋艦ケントに移乗していた。さらに、ケントからスカパフローで戦艦アンソンに乗り換え、ここでチャーチル首相と面談したのである。
面談の詳細は残されてないが、その後の対応で英米の取った方針がわかるであろう。
表向きは何もせず、通信傍受でソ連スパイの監視、さらには原爆開発に関する偽装データを潜り込ませられるように、特定された一部のスパイを寝返らせ、二重スパイにしたて上げた。
これを知った、ドイツ側も、ソ連の情報が入るせっかくのルートを維持したほうが良いと判断し、すっぱ抜きして、英米とソ連の離反を図る宣伝は、このルートからの情報が得られなくなったような場合の手段として保留することになった。
またドイツのスパイを通じて、偽情報をソ連に流すルートへの活用も行っていく。
このような情報活動は意外にも東部戦線のドイツ陸軍の大勝利をもたらす結果に繋がった、のは興味深い話であった。
なお、この原爆開発の偽情報は、戦後の第1回の原爆実験が見事失敗したことに影響(プルトニウム型の原爆の心臓部といえる「爆縮レンズ」の設計、製造に失敗した)し、開発を主導した秘密警察NKVD の長官ベリヤの更迭、粛清に繋がったのは御愁傷様であった。
大人の対応ですな。
この後の情報戦はこの話にも大きく影響していきます




