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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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オーガスタの苦闘

ビスマルク、ティルピッツに追い立てられる米重巡洋艦オーガスタです

ムルマンスクが大口径のロケット弾で手酷く攻撃(後に破片の分析で38センチであるとわかった)

されたりしている頃、大西洋ではアメリカのニューオリンズ級巡洋艦オーガスタはくたくたになっていた。


なんせ、遠距離から何度も38センチ?の砲弾が、4発飛んでくるのである。どうもビスマルク級の2隻から交互に射撃を受けているようだ。


本艦は先の大西洋憲章の打ち合わせにも、ルーズベルト大統領を乗せた名誉ある艦であり、以前は大西洋艦隊の旗艦も勤めた由緒ある艦でもある。それを知ってであろう、ドイツ戦艦に砲撃を持って追い回される屈辱を味合わされている。


速度をランダムに、方位も大きく大胆に変化させているからだろうが、幸いにもまだ距離は捕まれていないようだ。

しかし、微妙な距離には砲弾が落とされるから、油断もできない。


今の一番の問題は、航行スケジュールが大幅に狂わされていることである。

本来は十分なだけの燃料があったが急な加減速の連続で燃費が急増している。

そのため、巡航速度を低下させなんとか持たせている状況である。


司令部区画に座乗する大統領からは、当初、航行の遅れについて、詰問せんばかりの勢いであった。

何かしら重要な事件のためにイギリスとの打ち合わせがあるためだろう。しかし、しょっちゅうドイツ戦艦の射撃を受けるようになり、ようやく状況の深刻さはわかったようで、今は静かにされている。


一方、わが大西洋艦隊司令部も大統領座乗の艦の危機に、急遽、救援を回してくれることになったし、イギリス海軍も協力を申し出たから、この苦難もまもなくだろうが。まだしばらく苦難の時間が続くようだ。


一方、ビスマルクの方もグラーフツェッペリンの哨戒機の「戦艦隊発見」の報告でいろめき出した。

「おそらく追尾中の巡洋艦の援護だな。

こいつ、よほどの重要な任務を持ってるんだろう。」

ビスマルク艦長に来た、報告では2つの戦艦戦隊があるらしい。

ビスマルクよりイギリス方面にネルソン級とキングジョージV級の戦隊、さらにアメリカ新型戦艦を基幹とするグループ。


ネルソン級は火力はあなどれないが遅い。

またキングジョージV級は手合わせした感じでは主砲配置の無理からか、腕はともかくそれほど怖くない。

ただ、アメリカ軍の新型、どうやらサウスダコタ級らしいがこいつは要注意だな。


あくまでも今回は「大西洋通商遮断」がメインである。有力な敵の戦艦とドンパチやるのはメインイベントではない。


またせっかくグラーフツェッペリンまでいるから航空雷撃をかましたい、ところだろうが、下手に消耗させるほどパイロットや機体にゆとりはないはず。


少し食い足りないが、後は潜水艦の連中に任せておくのが良いかも知れないな。


かくして大西洋を舞台に様々な駆け引きが続いているのである。



ビスマルクはきっちり任務を果たしているようです。

オーガスタの航行遅れはどう響きますやら

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