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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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絶対当てるなだと!

「撃つが当てるな」珍妙な命令がビスマルクに来ています。

「艦長」

「聞かれてますか」

「聞こえてる」

「これは、何ですか。」「艦隊司令部からの命令だよ。貴官も見ただろう?」

「はぁ。」

「書いとる通りやっとってくれたら、貴官と部下の人事考課には影響はない。心配するな」

「わかりました」


この妙な会話は大西洋に進出して、折からイギリスを目指す米重巡洋艦オーガスタを迎えうとうとしているドイツ戦艦ビスマルクの航海艦橋において、艦長と砲術長の会話である。


海軍司令部のややこしい命令をなんとか艦隊司令部で、現場なりに解釈した上で、ビスマルクにきた命令は「オーガスタを捕捉しても命中させずに、航海が遅れるように変針を強いて、航海日程を遅らせよ」

となったのである。


主砲は撃つが、当たらないように修正しながら撃て、と言う命令になったのである。


まぐれ当たりを避けるために、方位の修正をあえて外れるように修正するよう命令されたのである。

砲戦開始と共に、可及的速やかに修正、命中弾を得ることに人生をかけてきた砲術長には、全く理解できない問題であった。

しかし数時間前に、発見されたオーガスタは、ビスマルクの40センチ砲とティルピッツの36センチ砲からの「下手くそ」な射撃を延延と受けている。

なかには「うっかり」至近弾もあり、砲術長は冷や汗かく?こともある。

ビスマルクとティルピッツの打ち合わせ通り、

逃げるオーガスタに頻繁な回避を強いて、燃料を無駄に消耗すると共に最短コースを取れないように「導いている」のである。


また継続した環視については、グラーフツェッペリンの艦上攻撃隊の支援も受けている。


「お前にいたぶられるねずみみたいだな!」

艦橋を「巡視」している船守猫のオスカーに声をかける艦長であった。



いたぶられるオーガスタを同情するビスマルク艦長である。


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