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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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英米首脳協議の「理由」は?

英米の首脳協議のための、米重巡洋艦オーガスタの航行はわかったが、何故改めて行われるか?

その理由が判明したが~

オーガスタがイギリスへの護送船団に紛れてイギリス本土に来る、のはわかった。


しかし、「何故?」の理由が見えないのである。さらに、オーガスタの出港は船団に同行というよりは、自身の航行スケジュールに合わせて、順次各船団を回っていく、間接的な護衛、と言う変則的なものである。


つまり、できるだけ隠密に、しかしできるだけ早く首脳協議を図らねばならない、「理由」が発生したと考えざるを得ないのである。


この情報は、国防軍情報部だけでなく国家保安本部第4局など他の情報機関でも、チェックされるようになったが、その過程で、アメリカから驚くべき情報が入ってきたのである。


米英共同で開発中の、とある「新型兵器」開発にあたる科学者の中に、、、ソ連のスパイが発見されたと言う情報である。

この「新型兵器」はドイツでも開発中だが、様々な課題で難航している、「核分裂反応」を応用した兵器らしい。


アメリカの民主党のルーズベルト大統領はもともとソ連には寛容な政策をとってきたがさすがに、これには腹を据えかね、もともと共産党には警戒感が強いイギリスのチャーチル首相と事後処理についての相談と相成ったのである。


極秘に開発中の兵器関連まで、ソ連のスパイがいる以上、通常の通信網など使えず、直談判で話し合いをするしかなかったのである。


そのため表向きは、前回の大西洋憲章に絡んだ協議と言うカバーストーリーも、用意しているとのことである。


これを察知したドイツ軍は、この話を大々的にリークする作戦を宣伝省が立案した。


これは、英米とソ連の間に大きな溝を作るチャンス!だからだ。

ただし、これには時間との競争でもある。


英米の協議がどのように纏まるか、予測しにくいのである。


これは、ドイツの各情報機関でも評価の分かれるところであった。


主に防諜の担当部門からは「あえて泳がせ誤った情報を流すことで、ソ連での開発を妨害するのと、スパイがいましたと言う体面に関わる問題を秘匿したいだろう」と官僚組織には、あるあるの推定をするのもある。


一方で、対外工作担当の連中は、もっとアグレッシブな評価で「ソ連共産党に懐疑的なイギリスのチャーチルがからむ以上、ここぞとばかりに、対ソ連の支援の削減または中止にまで踏み込むような報復にでる」もある。

他にも各部門ごとの意見の調整にあと少しの日数を要する、ことになったのである。


つ、ま、り、英米がどう協議をするにしても、ドイツ側も、対応策を練る時間が必要、とされたのだ。

しかし、大西洋を横断するオーガスタの航海は順調のようだ。


こうして、ビスマルクやグラーフツェッペリンらの機動艦隊には、この情報に基づいて、「オーガスタを追跡、可能な方策で航海を妨害、予定されている英米の極秘協議を妨害せよ」

となったのである。


命令を受けた機動部隊主力であるビスマルク艦上では、参謀たちが頭を抱えた。


沈めよ!と言われたほうが容易だからだ。

ほどほどに物理的な損害を与えるなんて神業である。

口の悪い参謀など「寝ている女を襲って、ばれないでパンツをとって来いと同じだぞ!」とのたまう始末。


また一方でこのドイツ艦隊との「遭遇」が「待ち伏せ」ととられても、こちらの手の内を明かす危険があるから注意するように、まで言われたら、どうするべきか?


かくして、ドイツ海軍いや他の海軍でも、空前絶後の追撃作戦が大西洋で行われることになる。



あらま、なんと面倒な!どうなりますやら


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