えらいこっちゃ!
正規空母が高速の防空巡洋艦に追われる、大変な騒ぎですが、ベアルンは並みの母艦でなかったのが幸いです
このベアルンって叔母さん(失礼おねーさんでしたな) はな、ノルマンディ級戦艦になろうって方だったんだぞ!
大人の事情で、違う旗を身につけたりしないといかんが(>_<)!
それがこともあろうに、まだ尻も青い?小娘に追いたてられて、ちまちま弄られる?
私は艦橋にいながら、ベアルンのことを考えながら、頭の中では、「この娘(ちと無理か)」に魂が宿してたら感じるようなことを思ってしまった。
ベアルンとてベテランの域にあるフネである、
それがこともあろうに、竣工して間もないようなダイドー級軽巡(砲塔が1個、少ないが)に追われるとは!
なんせ、今回の改造では従来の備砲など下ろしているから、軽巡相手も苦しい。しかも相手はやたら速い!
このままではいけない。
「砲術、あの新兵器はこの状況でいけそうか?」「一応会敵した時点から機器のウォーミングアップはしてますから、可能です」
「わかった。この状況では後数分であやつの射程に入ってしまう。できるだけのことはやってみてくれ。」
「了解しました、これより試作対艦誘導弾の発射準備にかかります!」
「レーダーから報告、目標は転舵、270度、速力27ノット。
我々に対してT字を描く形です。」
「敵艦発砲〜」
「何?」
相手は空母だから、おそらく4インチくらいの高角砲はあるだろうからな。
しかし、双眼鏡に映る敵は、こちらに箱状の砲塔らしきものを向けると、盛大な煙を吹き出した。「ロケット?」
最近の情報要約を見ると、空対艦の誘導兵器はぼちぼち使われているとか聞いていたが、まさか艦艇搭載型があるのか?
考えている間にも、目標からロケットが盛大に噴射しつつ高さを稼ぎ、、、一目散にこちらに来る!
「取り舵一杯、対空戦闘!目標飛来中の誘導弾とおぼしき兵器」
飛んでくる誘導弾に対して、艦前方のA,B砲塔の他後部のX,Y砲塔も射界に入れて全力で射撃する構えだ。
「艦長、射撃可能な砲塔から各個に射撃します。」
「了解」
艦橋の手前のポンポン砲なども射撃体制を取る。
「敵巡洋艦、本艦と同航戦の構え、まずは対空戦のようです。」
シメシメ(^-^)。
発射された誘導弾はヘンシェルの空対艦誘導弾から改造したものだが、まだ信頼性は疑問なのだ。
特に終末誘導に使う赤外線探知機は、もっとも大きな赤外線反応に引かれていく。
これにより空対艦誘導弾の運用で問題がある、電波妨害装置の影響は最低限になるが、船団攻撃を考えてみたら、先に炎上している艦艇に集中したり、もっと単純には燃えるドラム缶でも食い付きそう、らしい。
将来はもっと、例えばレーダーを内臓して自ら探すようなのも、製図板の上にはあるそうだが。
贅沢は言えん。今は怪しげな、8発の誘導弾でなんとか逃げないとな。
随伴しているSボートが煙幕の展張を開始した。効果はあまり期待できないが、やってくれるのは有難い。
駆逐艦も同行してくれていても、まだ間合いが遠い。
下手に突出しても相手は防空巡洋艦だ。
雷撃しようにも、射点に着くまでに、蜂の巣にされちまう。
今はこの誘導弾が頼りだ。
どうなりますやら




