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1948年冬、モスクワ前面にて
いよいよモスクワ近くまで地上戦がおよぶようになりましたが、まだこのあたりまでは、スタフカのジューコフ将軍の思惑の想定内であるようです。
第二次モスクワ攻防戦は、なんとかジューコフの思惑通りに進んでいる。
アメリカ軍は攻めあぐね、モスクワ北部の戦線は安定している。
入ってくる情報でも、アメリカ軍は厳しい寒さと春の雪解けの時期は持久する態勢になるらしい。
一方のドイツ軍も以前のモスクワ攻防戦の教訓から無理な前進を避けている様子である。
側面援護の日本軍は意外に強力で、当初のソ連軍の攻撃にも、耐えている。これはさすがに以前の教訓から対戦車兵器を強化したことによるお陰だろう。
攻撃した重戦車連隊は大きな被害を受けて、さらに後退中に、運悪く米軍の夜間爆撃に遭遇して、被害を拡大する目にも会うは、挙げ句の果てに追撃してきた、日本軍に追い討ちをかけられる目にあってしまう。
ソ連軍には想定外の被害であるが、まだソ連軍には「日本軍弱し」の先入観は残り、これが後に仇になるのであった。
すべてうまくいってる時ほど怖いものはありません。




