第五回 赤目のジャック(佐藤賢一)
<あらすじ>
十四世紀半ばの北フランス。百年戦争の果てない戦乱に蹂躙され、疲弊しきった農村に一人の男が現れた。人心を惑わす赤い目を持ったその男・ジャックに煽動された農民たちは理性を失い、領主の城館を襲撃、略奪と殺戮の饗宴に酔いしれる。燎原の火のように広がった叛乱はやがて背徳と残虐の極みに達し…。中世最大の農民暴動「ジャックリーの乱」を独自の視点で濃密に描く、西洋歴史小説の傑作。
※引用:Amazon.co.jp
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集団による狂気をよく描いた作品です。
長い間抑圧されていた農民が、ある扇動者に煽られて貴族(領主)を襲撃。殺人、略奪、強姦。貴族の令嬢は繰り返し犯され、領主は肉片と化し、文字通り喰われる。
眼を覆いたくなる所か、臭いまで伝わる様な描写の連続。この作品には「ポルノ小説」との批判は確かにありますが、抑圧されていた人間の爆発はこれ以上なのだと思う。
評価は分かれます。しかし、僕は嫌なものから目を背けずに書いた、著者のチャレンジに敬意を払いたい。
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区分:中世ヨーロッパ(フランス)
ジャンル:歴史小説
続編:なし
こんな物書きにオススメ:農民一揆を書いている人、残虐な略奪を書きたい人