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第十二回 ぼっけえ、きょうてえ(岩井志摩子)

夏という事で、ひんやりするホラー小説をご紹介。

「教えたら旦那さんほんまに寝られんよになる。……この先ずっとな」

時は明治、岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた……。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。

※引用:Amazon.co.jp


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 明治期の岡山県、それも閉鎖的な社会を舞台にしたホラー小説の短編集。

 ぼっけぇきょうてぇ、とは岡山弁で「凄く怖い」という意味。

 まさに、この作品は、凄く怖い。


 その怖さとは心霊というより、人間の業としての怖さ。

 差別、近親相姦、穢れといったタブーが、ねっとりとねっとりと書き連ねている。


 人間は何と、醜く美しい生き物か。


 改めて書きますが、これは心霊の怖さでない。

「生」が故の怖さです。


 生きるは地獄、死せるは天国。

 まさに、生きる事への執着が恐怖に繋がっている。


 そして、読了後に皆さまはこう思うだろう。


 貧乏は、ぼっけぇきょうてぇ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


区分:明治

ジャンル:ホラー小説

続編:なし

こんな物書きにオススメ:ねっとりとした怖さ、非心霊の怖さを描きたい人

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