第十一回 乱離の風―若き日の立花宗茂 (滝口康彦)
<あらすじ>
九州戦国時代、互いに覇を争い合い、離反・服属をくり返す武将たち―その乱世にあって、落日の色濃い豊後の大友宗麒一筋に義を貫き通した柳河藩主立花宗茂の、いさぎよい青春時代を中心に、実父の宝満・岩屋城主高橋紹運、義父の立花城主立花道雪との父子愛など、鮮やかに活写した長篇時代小説。
※引用:Amazon.co.jp
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立花宗茂を主人公にした作品で素晴らしい作品が、三つある。
葉室麟「無双の花」
志木沢郁「立花宗茂」
そして
滝口康彦の「乱離の風―若き日の立花宗茂」である。
ん~見事である。流石は、滝口先生と言うべきか。
主人公は立花宗茂であるが、その実、主人公は道雪と紹運。そしてそれに殉じた男たちである。宗茂はストーリーテラーに過ぎない。ギン千代など、途中で消え失せたほどだ。
この物語は、いぶし銀の男たちの物語と言える。特に岩屋城攻防から、その復讐戦たる高鳥居城の戦いが熱い。また戦の描写には「上井覚廉日記」を引用しているのが好ましい。立花が中心だが恵利内蔵助も登場し、秋月への配慮も見せている。九州戦国好きは是非一度読むべきである(現在は改題され「立花宗茂と立花道雪」で発売されています)
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区分:戦国時代
ジャンル:歴史小説
続編:なし
こんな物書きにオススメ:九州戦国時代を書きたい人




