第一回 さらば、荒野~ブラディ・ドール1~(北方謙三)
栄えある第一回は、僕の愛読書から。
<あらすじ>
冬は海からやって来る。静かにそれを見ていたかった。だが、友よ。人生を降りた者にも闘わねばならない時がある。夜。霧雨。酒場。本格ハードボイルド、“ブラディ・ドール”シリーズ開幕!
※引用:Amazon.co.jp
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何度読んでも面白い、ブラディ・ドールシリーズの第一作。
北方ファンの間では、これを読まねばモグリと呼ばれるような代物です。
さて、この物語。銃を討ち合い、大勢人が死んでも大騒ぎにならないN市が舞台。現代に於けるファンタジー。もはや日本に似たような異世界です。
主人公は川中良一。
「ブラディ・ドール」という酒場の主。他にもキャバレーなどを経営する会社社長という事になる。トラック一台から自営業を始めてN市でも随一の会社にするのだから、かなりの切れ者。しかも喧嘩も強い。今はやりのチートです。
なお、ヤクザではないが、堅気でもない。グレーな存在(というか、人殺しなのでアウトだけど)
ストーリーは、企業秘密を持ち出した弟のケツ持ちをしていたら、トンだ事件に巻き込まれていくという感じ。巻き込まれ系ですが、この男、燃えます。
この物語の魅力は、描写やセリフが一々恰好いい所でしょうか。気障過ぎるぐらいが調度良い。酒も煙草も車も凝っております。
作中にある、
「硝煙反応くらい、残しておくのが親切ってものだ」
この一言に痺れます! 日本かよ、ここは! って感じ。
なお、僕をハードボイルドに引っ張った作品。正直、この作品を最初に読んだ時は、そこまで面白いとは感じませんでした。しかし、シリーズをすべて読み、また読み返すと面白いじゃん! と。
北方先生は、歴史モノだけじゃ無いのです。
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区分:現代
ジャンル:アクション、ハードボイルド
続編:あり
こんな物書きにオススメ:日本に架空の都市を作りたい人、キザな男を書きたい人