第8話 悲劇と発見
ギリギリ執筆できてるんですよね…頑張らないと…
今回は自分で考えたキャラが出ます。考えてくださったキャラクターは…次回辺りに。
【前回のあらすじ】
西棟と南棟を繋ぐ渡り廊下を塞ぐモンスター。西棟に何か隠されていると踏み、北棟から回っていった! 以上!
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時間は三時…こちらは活躍達のいる二階の、北棟と西棟を繋ぐ渡り廊下。活躍、也公、白十は思わぬ者を目にした。そう、巨大なモンスター…クラーケンのような形をしている。
「ひいいい!」
白十は少し下がる。活躍と也公も警戒する。そこらのモンスターとは、格が違うからだ。
「白十、お前の武器は!」
也公が叫ぶ。
「セ、セクトです!」
びくびくしながらも、答える白十。活躍は驚く。だって、あのSECTなのだもの。
「よし、戦力には良すぎる。それじゃあ、隙を狙って撃っていけ!」
クラーケンのようなモンスターが、何本もある手で薙ぎ払ってくる。白十はびくびくしながらも、素早く避けて撃つ。
「上手い! 次は俺が行く!」
選手交代。白斗は体を震わしながら下がり、也公が素早く前に移動する。
「ここだ!」
也公は素早く交わし、モンスターの手を撃つ。モンスターの手は契れる。その隙を活躍は逃さない。更にモンスターの手を撃っていく。
「こ、これで!」
白十は渾身の一発、セクトでモンスターの体部を撃った。
「よし、なんとか倒せたな。」
息を吐く也公。
「ほな、はよ北棟行こうか。」
活躍が言い、也公と白十はついて行く。
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地下一階の西棟と北棟を繋ぐ渡り廊下。風紀委員長のマリアと、風紀副委員長の輝と、生徒会長の真麻と、副生徒会長であり書記でもある大樹と、付き添いでもある茉莉花と、二年生の竜司と、健は巨大な蜘蛛と戦闘していた。
「糸を吐いてくるし、この厄介な足もあるし…覚がいて欲しかったな。」
茉莉花は避けながら、呟く。竜司も共感し、頷く。
「ぐっ、ライフルで!」
健はライフルでモンスターの額を撃ちまくる。真麻もショットガンで応戦する。しかし…
「うぐっ…」
モンスターは脚で真麻を突き刺した。
「会長! くっ…出血…早く止めないと!」
大樹は素早く真麻を後ろに下げ、ハンカチで出血を抑える。しかし、そんな簡単なものじゃない。
「こんなとこで会長を死なせない!」
大樹は力一杯抑える。
「ボーッとするな。はやくこいつを倒すぞ。」
茉莉花が叫び、健はハッと気がつく。皆はそれぞれの武器を構え直し、攻撃を避けながら隙を狙う。だがしかし…
「な! 蜘蛛の巣が!」
モンスターは端から端まで蜘蛛の巣を張り、そのまま北棟へと逃げて行った。
「…ハッ! 真麻!」
茉莉花は急いで真麻の元へ駆け寄る。
「大丈夫か! しっかりしろ! くそっ…副風紀! 健! 早く真麻を保健室に運べ!」
茉莉花は叫ぶ。輝と健はおどおどしながら、お互い頭部と足部を持った。
♢♦︎♢♦︎♢
一階の西棟と北棟を繋ぐ渡り廊下。一年生の平和と冥とミカとシンは、とあるモンスターと戦闘していた。
「スケルトンねぇ…」
ミカはちょっと困った顔をしている。剣持ちと弓持ちがいた。接近と遠距離…なかなかの組み合わせだ。それに数体いて、四人では難しい。
「復活しないよね? だいたいのスケルトンって、甦るイメージがあるからさ…」
頷く冥。確かにそうだ。体は骨。魔法か何かでくっ付く。つまり復活というイメージは強いだろう。
そんなことを気にせずに、ニヤリと笑う平和。何を考えているのだろうか。いつもの平和主義者とは見えない。
「とりあえず、倒すよ!」
♢
あれから数分。案の定、スケルトンは再生した。眉を曲げるシン。
「はぁ…ロケットランチャーで一掃できないかな…」
と、背後から足音がした。どんどん近づいてくる。シンは思わず振り向く。
そこには、ロケットランチャーを背負った男性が立っていた。
「え…」
シンはまさかいたなんて…という顔をしている。
「どけ…」
男は四人に命令し、道を開けさせる。そして、真ん中のスケルトン目掛けて撃つ。
「うっ…」
四人は爆風に耐えた。気がつくと、そこにはスケルトンの原型すらなく、跡形もなく何もなかった。四人は唖然とする。
「こんな時にロケランが使える…あの時はただこんなにいなかったからだけなんだ…ショットガンみたいな手銃を備えていれば…俺は二人を助けられていただろうな…」
男はボソッと呟いた。その言葉に、シンとミカは気づいた。そう…あの時…
「一緒に居てた…!」
「先輩の…」
「「赤月 神兵さん!」」
名前を叫んだシンとミカに、ふっと振り向く神兵。そして、思い出した。
「くぅ…あの時は本当にすまなかった…反省しても反省しきれない…」
神兵は肩をすくめる。シンは大丈夫です…と、少し暗い表情で言った。
「謝っても許されないとわかっている…だが、謝る…今の状況は把握している。西棟に向かっているんだろ? 俺はしっかりついて行く。今度こそ…守るんだ。」
神兵はキリッとした顔になり、渡り廊下を進んでいった。四人は、焦ってついて行く。
♢♦︎♢♦︎♢
「よし、出口が見えてきたぞ。」
地下室に行くために通ってきた、破壊された扉が見えてくる。破壊したのは、アリーフだ。
「ん? 健君…え? 真麻ちゃん?!」
扉の前にエレンが立っていた。健と竜司が、真麻を運んでいるのを見、驚く。
「はぁ…はぁ…エレン…先生…この有様ですよ…ハハッ…」
「無理に喋らないで! 健君、えっと…竜司君だっけ? 悪いけど、保健室まで急いで!」
健と竜司はエレンの指令に従い、真麻に気を使いながら急いだ。
「あれ…風紀委員長さんがいるなんて珍しいね。」
「オホホ、ご無沙汰してますよ。エレン先生。私も生徒会長の容体を見に行きますわよ。」
少し驚いた表情になるエレン。
「そう。じゃあね〜。」
健達の方へと走っていくマリアに手を振るエレン。輝はどうするか迷っている。
「風紀副委員長さん、行ってきたら?」
少しビクッとしながらも、エレンに頷き、輝は追いかけるかのようにマリア達の元へ走った。
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「先生! 早く真麻を見て!」
「え? なになになに…まあ、大変。」
保健室の先生だろうか…医師服を着た女性が、慌てて準備を始める。
「どれどれ…これはヒドイわね…茉莉花ちゃん、包帯と消毒を。」
「はい!」
別人のように少し口調が変わっている茉莉花。よっぽど真麻を助けたいのだろう…
「大樹! 包帯取って!」
「は、はい!」
大樹は焦りがちで包帯をゴソゴソと探す。
「はい、先生!」
茉莉花は、大樹が持っていた包帯を取り、消毒と共に保健室の先生に渡す。
「ありがとう。あら…風紀委員長さん。珍しいわねぇ。」
マリアに気づいた保健室の先生。
「オホホ、ご無沙汰してますよ……」
「相変わらずねぇ。」
先生はクスクスと笑う。
「健君…俺達は外で待っとこうか。」
健は小さく頷いた。
「あ、マリアさん。僕も外で待ってきますので…」
輝はマリアにグーサインをした。マリアはオホホと笑った。
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「お、ここだな。」
そこは上から下までしっかり伸びている、謎のモンスター。何かあるに違いないと言われ来てみたはいいものの…手がかりになるものはなにもない。
「いや、三階に謎があるんとちゃうか?」
活躍はボソッと呟く。也公はポンと手を叩いた。
「そうだな…だが、時間がない。後十分だ。また次の夜にしよう。」
活躍は頷いた。と、白十が小さな声で何か喋り始める。
「あの…ありがとうございました…もしよろしければ、今夜も…」
「もちろん! 向かいに行ったるから、待っといてや。」
白十はビビることなく頷いた。
ピンポンパンポーンと、集合の放送が流れた…
【次回予告】
生徒会長おおお! 大丈夫なのを祈るぜ。それにしても…地下三階気になるよな。楽しみにしといてくれよな!
さて次回予告! 教頭と真麻の付き添い。次回もお楽しみに!