第3話 二日目の朝
キャラクターを考えてくださった方、ありがとうございました!募集は活動報告、もしくはメッセージにてとなっています。
今回は三人登場でーす。
【前回のあらすじ】
二つの死体を目にした健達。そこで、新たに二人と同行することに!
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翌日になったのだろうか…時計を見る健。こんな夜…早く終われと念じる。
「そういや、ここってモンスター湧くんでしたっけ?」
シンが、思い出したかのように茉莉花に問いてみる。健と青砥も思い出したかのように茉莉花を見る。
「…ああ、湧かなかった…何者かによる仕業だろうと考えられている。最初は普通に戦闘を学ぶ学園だったらしい…だがとある入学式、そいつは現れた…夜にモンスターが湧くのでと当たり前のように言っていたが、当たり前じゃないんだ…詳しくは教頭に聞いてくれ。」
茉莉花はふぅとため息をついて、銃を構え直す。シンは頷いた。
「モンスター来たわよ。」
凪が銃を持っていた反対側の手を挙げ、合図する。それに対応し、皆は構える。
「グギャアアア!」
「なんだこいつ!」
そのモンスターは今までのモンスター達と明らかに違い、蜘蛛のように三頭身で、真ん中に四つの手が生えていて、二本足がある。目は八つあり、とても気持ち悪い。
「今までの奴とは格が違う!引き締めていけ!いいな!?」
『はい!』
皆は茉莉花の指図に答え、それぞれの銃で弾を撃つ。
だがしかし、モンスターは何もなかったかのように近づいてくる。
「まずい…避けろ!」
「しまっ…」
避けそびれてしまった健…だが…
「グギアァアアア!!」
モンスターは叫び、そこに倒れた。背後を見ると、ガトリングを持った一年生らしい人物が立っていた。
「はぁ…平和に行きたいのにね。」
ため息をつき、そう呟く。
「君、名前は?」
健がその人物に名前を聞く。その者はハッとし、口を開く。
「僕の名前は野原 平和。この携帯式回転式機関砲、いわゆるガトリングを使うよ。」
平和はガトリングを見せ、そう言った。
♢
それぞれが自己紹介をした後で、なぜ平和が一人だったのか問う。
平和は、仲間と逸れて別行動をしていたらしい。
よく生きてたなと、茉莉花が褒める。確かにそうだ、一年生が一人で今までモンスターを倒してきていたのだから。
「お前一人じゃ危ない。一緒に行動しよう。」
茉莉花が提案する。平和は承知し、頷いた。
「しっかし、さっきのモンスターを一人で蹴ちらすなんてな…平和、凄いな!」
青砥が腕を頭の後ろに組んで、平和に言う。平和は少し照れて頷く。
「そういや、何組なんですか?」
心愛が思い出したかのように問う。
「A組です。皆さんは…」
「俺と健、心愛と凪はB組だ。ミカとシンはE組だ。そういや、茉莉花さんって何組なんですか?」
青砥が答え、ついでに茉莉花のクラスも聞いてみる。
「ん?ああ、私はC組だ。」
だが、三年のクラスの人数はごく僅かだ。
「おっと、まだお出ましか?」
油断した時に、大群はやって来る。健達は銃を構え直し、狙いを定めて撃っていく。
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外が明るくなってきた。もう六時だろうか…健達は廊下の窓側に座って休んでいる。
「流石に眠い…」
目を擦る青砥。それに吊られるかのように皆も目を擦る。
「睡眠時間って、あるんですか?」
平和が茉莉花に問う。
「基本的朝の六時以降、夜の九時までなら寝てもいい。まあ、特訓しないのならの話だが…少しやってから寝るってのもありだ。九時以降に複数部屋で寝ると、閉じ込められて最後は…死だ…」
最後の言葉に体を震わす七人。と、放送が入った。
「皆さん、お疲れ様です。集計をするので、体育館に来れる方は来てください。」
そう言って、放送が終わった。健達は、体育館へと向かう。
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「えー、集計が終わりました。一年生、十二人死亡。二年生、二人死亡。三年生、死亡者無し。」
まさかの十人以上死亡。茉莉花も予想していなかったのか、怒りの表情へと変わる。健達も、信じられない顔をしている。
「以上で集計を終わります。皆さんは食堂にて、朝食を取ってください。その後は各部屋に行き、整えてから教室に向かってください。以上です。」
生徒、先生達は解散する。健達は、どうするか相談する。
「私は真麻のとこに戻る。今夜は同行できなさそうだ。一応、二年生を手配しておく。」
茉莉花はそう言って、去っていった。
「私達も行くね。多分他の人達と同行することになると思うから…ありがとう。」
ミカとシンは健達に礼を言い、その場を去った。
「あ、平和見つけたなう。」
最後になうを付けるという、特徴的な一年生が割り込んできた。
「えっと、君は?」
「私の名前は雅凰 冥なう!このホプラフを使ってるなう〜!」
「HP-RaFね…」
サブマシンガンのことをホプラフと呼び、なうという口癖の変わった女の子だと健は思った。
「じゃあ、僕達は行くね。」
平和と冥も、その場を去った。残ったのはB組の四人。
「とりあえず、複数人部屋に戻るか。」
青砥に三人は賛成する。
♢♦︎♢♦︎♢
自分達の部屋に着いた四人は、ベッドに寝転がる。少し休んでから食堂に行くのだ。今行っても人が多いと踏んだからだ。
「それにしても、みんな腕前いいね。」
健はボソッと言う。
「そこまで素人じゃないですからね。」
「俺だって経験はある。」
「私も慣れている方よ。」
皆自信あるんだなと、健は思った。
「じゃあ、飯食いに行くか!」
青砥が立ち上がり、部屋を出て行く。それに続くように健達もついていく。
♢♦︎♢♦︎♢
「あ、健君おはよう! 君達もね!」
いつも明るい生徒会長、真麻に挨拶をされ、健達も挨拶し返す。
「それにしても、かなりの腕前ですね。感心しました!」
健と青砥は恐れ多いと、頭を下げる。
「ほーらお前ら。早く飯食わねぇと、特訓遅れんぞー!」
ダンガが健達に呼びかける。返事をし、真麻に別れを言い、食べ物を取りに行った。
♢♦︎♢♦︎♢
教室に着いた健達。軽く、扉のすぐ近くにいた男児に呼びかける。
「すいませんすいません!」
ただ呼んだだけなのに謝るその男児。健は、何もしてないだろと謝るのを止めさす。
「ぼ、僕の名前は楠絡 白十です…よ、宜しくお願いします…」
この子は怖がりで、コミュ症なんだと、心愛は思った。
「ぶ、武器はセクトを使います…」
「なに?!SECT?!」
「ひいいい!」
青砥が大声を出してしまったので、白十は怖がる。
「ああ…すまん…大丈夫だ、落ち着け。」
「青砥、SECTって?」
凪が疑問に思い、尋ねる。
SECTとは、Shot gun of ExeCuTion[死刑執行人の散弾銃]の略。装弾数十発で威力が桁外れなレバーアクション式散弾銃と知られている。
青砥は、白十は強いと心から思った。
「授業始めるよー。みんな席について〜!」
【次回予告】
新しく三人に会ったな。あ、ちょっと短かった!作者も忙しいんだよ…ただの言い訳!すまん!
さて、次回予告!新たな人々!次回もお楽しみにな!