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カオスな学園に来ちゃいました  作者: 狼天狗
第1章 学園にて
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第2話 初夜

【前回のあらすじ】

 健は戦闘学園に入学した。生徒会長を知った。B組になった。以上!



♢♦︎♢♦︎♢



 場所は外。いくつかの的があり、エレンはそれを撃てと命じる。


「貴方はショットガンの方がいいかもしれないですね。」


 一人の男子にショットガンを渡される。ショットガンはライフルより連射型ではなく、一発一発を確実に当て仕留める…といった感じだろうか。


 健の出番がくる。


「なかなかの腕前ですね。」


健は褒められ、自主練習を行う。

 一日目はあまり日中が長くなく、あと一時間で切り上げ。エレンも生徒を生かすため、必死に教え込んでいる。


「ほーらお前ら、俺も鍛えてやるよ。」


 スナイパーライフルのようなものを肩にかけていたおっさんのような男性が、生徒達に近づいていく。


「俺の名前はダンガだ。スナイパーライフルの使い手な。ほれ、叩き込んでやる。」


 皆は半分に分かれ、エレンとダンガに教えられる。



♢♦︎♢♦︎♢



 食堂…生徒達は食事を取っている。仲のよさげな生徒もいれば、友人もいなくポツンと座っている生徒もいる。

 健も一人の者を探している。


「あ、君は…」


 誰かが健の肩をポンと叩く。そう、生徒会長、麻美 真麻。彼女は何を使うのか…健は挨拶をし、聞いてみる。


「私はショットガンですね。的中率が良いとのことで。」


 真麻はショットガンを見せる。健は目を輝かせる。


「あ、誰か食べる人を探してるんですか?よければ私とどうです?」


 健は少し顔を赤らめるも、一緒に食べることにした。





「え?本当はここの学園に入学するつもりじゃなかったんですか?」


 驚きの表情をしながら聞き返す真麻に対し、健は頷く。


「そうだったんですか…でも卒業するまで戻れませんからね…」


 少し困った表情をする真麻。健は何か決心したのか、口を開く。


「別に嫌じゃないですよ。生死の境目でもありますが…でも、入学してしまったし、頑張ろうかなと。」


 その言葉に対し、真麻は感心した。


「流石ですね。頑張ってくださいね。私は夜に備えてきます。」


健は真麻に手を振り、お互い別れた。



♢♦︎♢♦︎♢



 シャワールーム…健は今、夜に備えてシャワールームで汗を流している。


「初夜は先輩や先生達と同行するらしいけど…緊張してきた…」


下手したら死んでしまうかもしれない…健は頭の中でそう悟った。


 だが、一年生でもそこまで素人ばかりではなかった。

期待できるだろう…



♢♦︎♢♦︎♢



 九時…健はB組の三人と同行することになった。先輩は誰であろうか…


「とりあえず、自己紹介しようぜ。」


 一人の男子生徒が健達に呼びかける。皆は賛成した。


「僕の名前は白山 健です。」


「私の名前は北里きたざと 心愛ここあです。」


「俺の名前は片桐かたぎ 青砥あおとだ。」


「私の名前は垢島あかじま なぎよ。」


 四人は自己紹介をし、それぞれの武器を見せる。

 健はライフル。心愛はショットガン。青砥はマシンガン。凪はハンドガンだ。それぞれ弾を込め直し、いつ襲われても大丈夫なように警戒する。


「そこに誰かいますか?」


 心愛はショットガンを壁の死角に向けながら問う。

 隠れていた人物は両手を上げて出てきた。


「お前達の敵ではない。先輩のようなものだ。だからそんなに警戒するな。」


 やや男口調の薄ピンク色の髪の女性が要求する。背は低い。


「私の名前は葛水くすみず 茉莉花まりかだ。このハンドガンを使う。」


 頭を悩ましていた健が、やっと謎を解けたかのように言う。


「あの生徒会長と座っていた…!」


「そうだな。なんだか嬉しいぞ。」


健は頭を撫でられ、少し照れる。


「おい、モンスターが来たぞ。」


 青砥の注意に皆は構える。


「ギュアアア!」


 モンスターは健目掛けて飛びかかってくる。が、飛びかかってくるところをしっかり狙い、ヘッドショットを咬ます。

 健は、ふぅ…と息を吐き、ボトルに入っていた水を飲む。ヘッドショットは近距離だったためもあるが、とても上手かった。


「あ、気になったことがあるんですけど…二年三年の先輩達の人数は?」


 茉莉花は少し暗い顔になりながらも、口を開いて答える。


「三年は二十五人…二年は五十三人…この二年間で三年がだいぶ減った…」


 四人は驚く。まさかそんなにも減っていたとは…一クラス五人といったところか…ごく少数。そのため、残りの二年生、新しく入学した一年生と同行し、生命度を上げようとしていた。

 無論、三年でも弱者はいる。奇跡的に生き残ったのであろうか…

 だが、大事な仲間を失った者はその者を責めることなく、協力している。一人でも多く生き残ろうと…

 その苦労さが、四人にひしひしと伝わってきた。


「一年は確か百人だよな?」


「はい、一クラス二十人です。」


つまり、四人グループが五つ、それが五クラスにあるというわけだ。


「ぎゃあああ!」


 廊下の奥から悲鳴が聞こえる。健達は急いで走る。


 そこにあったのは二つの死体…一年生のであろう…

 洗い息をしながらずっと銃を構える一人、死体を見ながら泣き続ける一人。そして一人、先輩らしき人物が申し訳なさそうに下を向いている。


「おい、貴様、どうして守れなかった。」


 茉莉花がその先輩らしき人物の襟を掴む。だが、口を閉じたままだ。


「チッ…初夜から二人の犠牲者を出すだなんて…ついてないな…」


 茉莉花の表情は、だんだん曇る。


「お前達、何組だ?」


 青砥が泣き続ける女子に問う。


「E組…だよぉ…!」


 泣きながらも一生懸命に女子は答えた。


「そうか…」


 なぜ殺られてしまったのか、これはミスとしか言えないのか、青砥は頭の中で考える。


「くそっ…僕がもっと早く倒しておけば…」


 洗い息をしていた男子が、涙を流しながら言った。


「君はよくやった。自分を責めるな。」


 茉莉花は男子の頭を優しく撫で、落ち着かせる。


「お前は絶対に…ってどこいった?」


 さっきの先輩らしき人物に声をかけたはずが、いなかった。茉莉花は辺りを見渡す。

 廊下を歩いていく人物…茉莉花は呼びかけ、人物は足を止める。


「すまん…その二人を頼む…」


「あ、おい!」


 その人物は足を止めることなく、薄暗い廊下へと消えていく。


「あいつは後で殴る。とりあえず、二人、私達について来い。」


「…はい。」


 男子は返事をしたが、女子は泣いたままである。



 ベシン!



 男子含む五人は、驚いた表情になっていた。そう、茉莉花が女子の帆をビンタしたのだ。


「いつまでも泣くな。この学園は死と隣り合わせだ。ここで立ち竦んでたら駄目だ。」


 女子は涙を拭き、立ち上がる。


「…はい! 頑張ります! あ、私の名前はミカです。彼の名前はシンです。よろしくお願いします。」


 こうして、健、青砥、心愛、凪、茉莉花、ミカ、シンは残りの夜を協力しながら生きることを決めた。



一年…98人(今夜二人死亡)

二年…53人

三年…25人

【次回予告】

二人の死体を見るなんて悲劇だな…あ、次回予告!とりあえず残りの夜を生きる!で、人数を確認し、特訓!

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