表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何百回目の青春は  作者: むら殿
3/3

何分か沈黙が続く。

僕は、向こうに行く勇気がなかなか出なかった。デカウサは

「一回行ってきたら?試しに、ね?」

試しにか、いつでもここに戻れるのならいいのか…なぁ…

僕は立ち上がった。

「行ってみようかなあ。また戻れるだろ?」

「そうだよー!あ、それとね、言い忘れ!

カミングアウトしちゃだめだよ?そしたら、君は人間をやめなければいけなくなるから」

?!それは、絶対危ないな。言っといてくれてよかった。

「それではいってらっしゃーい」

デカウサが、そういった瞬間僕の意識が遠退いていった。



「…くん、隆介くん、」

誰かが読んでいる。雨の音も聞こえる。

この声は真帆……??目を開くと

教室に、真帆がいた。僕は居眠りしてたのか?デカウサのは夢か…?

俺が死んだのは…

「真帆、今何月何日?」

「11月3日だよ」


信じられない。過去に戻った。変な汗が吹き出る。こんなことあるのか…

真帆も何故か変な表情をしていた。

「真帆、お前変な顔してるけど」

「え、え?そうかな、そういえば汗が、凄いなあ、あっつい!」


いや、11月に暑いっておかしいだろ笑

でもまあなんか顔も赤いし熱でもあるのでは…と思っていたら


「隆介くん、私ね、ずっと前から、隆介くんのことが好きなんだ」




いや



ど、えwwwwwww


「は、?真帆??」

「付き合ってください!!!」

「えっと!俺、その…えと…」

真帆がこんな泣きそうな表情なっているのは初めて見た。真帆は、静かなタイプだから

こんな大声出してるのも初めて見た。俺は

「返事あとでもいいかな。とりあえず今日は帰ろうぜ。雨降ってるし、なんとなく危ないし、一緒に帰るか」

と言った。



2人で静かに歩いていた。雨が降っていた。

真帆はやっぱり泣きそうな顔をしていた。なんかもう白い部屋に戻りたい気がしてきた。

なんせこの気まずい沈黙。心が痛くなる。

「えっと、真帆ってさ、異世界とか、信じる人?」

「なに急に変な話、まぁ、あるんじゃない、かな。多分だけど。私は信じてるけど」

意外だな。真帆はそういうの信じないタイプかと…



いや待て待て、違う。真帆に会えてとっても嬉しい!嬉しいけど!!あと2人に会ってない!!


「なぁ、あと2人いるじゃん?どこにいるんだ?あいつら。純と葵!」

「え?忘れたの?今停学中だよ…?」

「は?」


え、待ってなにやったのあいつら。おかしい奴らだとは思ってたけど、停学て、、、

いやほんと、戻りたいな。死のうかな…


道路に飛び出し、、、




そう簡単には勇気が出なかった。

そうだ、俺が死んだのは、一生の衝撃の爆発。自殺ではない。隣には真帆がいた。


殺せば戻ってこれる、支障はほぼきたさない


この言葉が


心を揺らがせた。


僕の心は






雨で汚くなって。



傘も先端が何故か鋭利なものになっていて


あぁ、神様、僕は恐ろしい人です。

もう人ではないのかもしれません。


真帆は不思議そうにこちらを見ていた。

綺麗な瞳は、僕の揺らぐ心を震えさせた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ