表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/137

89 破綻と回避策

まずい。

越前の内政計画に重大な問題が発生している。上杉は強力だ。戦国最強といっても過言ではない。まあ、最強の定義は良く分からないけど。

そして、その最強の上杉が、加賀北部から北陸を支配する事となり、その国土も跳ね上がっている。

別に上杉の国力増加は危険視していない。上杉の新しい領土の支配体制を築く時間を考えれば、織田家が越後の隣の信濃を支配下に置く時間の方が絶対に早い。


では、なにがまずいのか。


越前の年貢増税計画「国外賦役免除」ができない。

うん、コレって結構ヤバイ。

四公六民で越前を運営することは不可能だ。このまま石高が増加しても、ここまで安い税率では越前の維持ができない。

国内賦役免除で税率を一割あげて五公五民には出来るのだが、そこで増税が打ち止めである。国内賦役免除は『国内賦役免除と、さらに一段階上の国外賦役免除』という流れであって『国内賦役は免除だけど、国外賦役はする』というケースは想定されていない。

つまり、賦役免除による二段構えの増税が難しくなり、単発での対応にならざるを得ない。


そして、長期展開で上杉を攻めるというプランは無理だ。上杉の戦力以前に、自業自得的な理由でもある。

国内賦役をする場所がなくなりそうです。

甘く見ていた越前の国力。

越前総賦役的な大規模作業により石高回復=人口増加&生活に余裕=賦役にまわせる人員増加というスパイラルが発生。越前復興は予想外の速度で進んでいる。

しかも、当初の予定になかった常備作業者のフォロー体制によりトータルの作業量が加速しているのだ。

多分、3年後くらいには主要作業が終わり、さらに1年もすると予定されている作業が完了してしまう。まあ、国内賦役免除が入るので遅れるとは思うが、それでも更に2~3年程度の差だ。


一応、五公五民でも越前統治は不可能ではない。統治は可能だが、他国を攻めるのがキツイ経営状況になる事が予想される。北陸遠征なんて夢のまた夢だ。


オレの越前復興計画破綻の危機である。

いや、当初の目的は成って復興したから破綻していいのだが。復興したご褒美が破綻している状況だ。

どうしてこうなった?


一応、方策は考えた。

港だ。

海に面した越前は北前船による海運の出入口だ。北陸や東北からの荷を敦賀で下ろす。そのための主要航路である。それゆえに、当初の計画では越中まで道を作って能登半島を回らない陸路を作ろうと考えた。

それをランクダウンさせて、越前加賀南部の港の補強と拡充を行う。そして、港の使用料を取る。越前北部や加賀なら海運はコストパフォーマンスの良い輸送方法だ。まして、越前は復興し石高が増しているため、余剰の米を売却するという選択肢が増える(予定である)。そうなれば、消費地である首都近畿地方への輸送は海運が利用される(はずだ)。その利益を吸収する。

…希望的願望が多いような気がするが無視しよう。


ようするに、税金が安い分を農民の収入が増えるから、その収入を現金化する際に(間接的に)国に収益が入るようにしよう。

と言う苦肉の策だ。


しかし、この政策を行うことで新たな問題が浮上する。

つまり、港の使用「料」を取ることで商人の経費がかさむ。当然、その経費は間接的に物価に反映され民衆への負担となるのだ。まあ、負担を分散させたともいえなくもないが、双方に不興を買う可能性がある。

その分を控除しようとしても、そもそも税収増加が目的である為に本末転倒だ。

まあ、これが現実化するのは港開発後なので、もう少し後になるはずだ。残っている国内賦役の割り振りから、そちらへの賦役を概算で出して…


ん?

あと数年で国内賦役が終わるって事は、それまでに国内賦役免除者の選定をして、それに合わせた税体制を作って年貢の季節乗り切って、その上で港の開発しなければならないのか。


あれ?一乗谷お寺化計画も国内賦役も軌道に乗って作業分担された結果、オレの仕事は減るはずなのに、仕事が楽になっていない…だと!?


どうしてこうなった?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 誤字情報 一応、方策は考えた。 港だ。 海に面した越前は北前船による海運の出入口だ。北陸や東北からの荷を敦賀で下ろす。そのための主要航路である。それゆえに、当初の計画では越中まで道を作って…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ