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46 迫りくる幸せと脅威

前にも言ったが、目加田から津島の商業路設立において、一番の地理的難所は日野城近辺の険しい山岳地帯である。


さて、ここで物理的にして現実的な話がある。

つまり、工事用資材の話だ。管理の行き届いたところに確保する必要がある。


交通の要ではあるが、目加田には置けない。

溝口さん(丹羽様)の働きにより、津島からの輸送を織田家が受け持つことになり、輸送コストが消滅したため、尾張美濃経由で近江に津島の資材が搬入され始めたのだ。


あのね、金になる事を目の前にしたときの商人を甘く見てはいけない。

戦国大名とか下剋上とかもびっくりなエゲツないマネをシレッとしてくる奴らばっかりです。

二回のボヤ騒ぎと、一回の汚職事件でさすがにオレも懲りた。欲ってコントロールしないで放置してるとどこまでもデカくなるものだな。

目加田は琵琶湖の水運が使えて便利なんだけどなぁ…


というわけで、日野よりも目加田に近い廃城跡地に、物資集積所が出来ました。

これが何を意味するか。


オレの通勤時間が跳ね上がることを意味する。


オレは日野前田家家臣。当然、日野城に領土と家と愛する家族を持っている。

毎日毎日、日野城から廃城跡地へスタコラスタコラ。資材確認して、要求する資材の搬入指示持をして。帰ったらもう夜ですわ。

ははははは。


うん、少し考えればわかると思う。オレが現地で寝泊まりすれば、余裕のある生活ができると思う。

だが、帰るけどな!


いやね。家族増えるんですよ。

結婚2年目にして、授かりものですわ。そりゃ、パパとして帰るでしょ。断固として帰るでしょ。一応、義理の姉である安さん(奥村様の奥さん)にまかせているが、オレは帰らねばならぬ理由があるのだ。

いま、この時だけは。この時だけしかダメなんだ。



なぜなら、




もうすぐ年貢の季節です。


想像するだけで、崩れ落ちそうになります。

このタイミングで「おや、デスピカリマーチの様子が…」ってメッセージ流れてるだろ。

嫌だ!絶対に嫌だ!BBBBBB!

年貢徴収期は丹羽様の手腕に期待したい所ですが、残念な事に年貢の季節というのは日本一律。日野で年貢徴収する時期は、丹羽様が統治する若狭でも年貢徴収の時期なわけで、援軍の期待は薄い。


孤立無援か…


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