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40 零からの商業路

とりあえず、上野城解体中の蒲生 賢秀さんを呼んで、事情を説明する。

箱の中身に一瞬動きが止まったが、魅入るようなこともなく、蓋を閉じる。


「人員ですが。」

「…は?」

「商業路開通の人足の件ですが。」

「あ、ああ。」


すごい。普通に話し始めた。蒲生さんパネェ。

残念な事に、蒲生さんも城の改修などの経験はあるが、商業路に関する知識はなかった。ただ、人足に関しては、先の野盗化して捕まえた浅井残党を使って作業させてはどうかと提案された。

その人たちが今何をしているかって?いま、上野城を解体しているよ。


その後、木箱のある評定の間で寝ると言い張る恥ずかしい主君を蒲生さんが一喝し、伝家の宝刀であるおまつ様を呼んで、主君っぽいものを回収してもらうと、蒲生さんに箱を城の倉に納めてもらった。

オレ?箱を持とうとしただけで足が震える人間には過ぎた物である。

少市民な自分が恥ずかしい。




さて、当たり前だが、俺にも商業路をどうすればいいのかなんて知識はない。

ただ、なかなか眠れなかった間、延々と考えていたのだが、最終的にできた案は、至極簡単な物であった。


「商人に聞いてみればいいじゃん。」


さっさと思いつけよオレ。

とりあえず、空にした砦の物資を戻すのと、北畠に提供した物資の補充をしなければならない。

その際に、日野経由で長島へ行く行商人たちに話を聞けばいいんだ。

実際に歩いている人間なら、不便な点や大規模移動を阻害する要因を聞けば、それを改善させる方向で、商業路の改善を行えばいい。


「となると、地図か…」


当たり前だが、地図とは軍事機密である。地の利が戦術を有利にするのは基本の基本で、そのため、詳細な地図は最高機密に属している。


そして、その為の最大のネックが


甲賀の里。


日野の南から長島の間は、甲賀忍者の庭である。筒井戦の時は、それを使って彼らに少なくない打撃を与えている。

その最大の利点である地の利を、甲賀が捨てられるのか?

いくら、織田家に屈服したといっても、完全にはその支配を受け入れてはいない。

それを守るために、離反する可能性も十分ある。


「地道に交渉ですかねぇ…」

「あなた様?まだ寝ておられないのですか?」


起きてきた加奈さんを布団に引っ張り込んで、今日はもうおしまいにしよう。


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