03 帳面持ってきて
さて、面目というのは大人の世界で重要である。
江戸時代とか、これで人が死んだりしているわけで、「それもどうよ?」と思うのだが、とりあえず面目を保って死ぬのは名誉と思うのは間違っている。
当事者と、第三者的には美談かもしれないけど、関係者にとってははた迷惑にもほどがある。
何が言いたいかって、俺がここに来た理由だよ。
利久派と利家派の対立ってか、ギスギスした空気の改善ってやつだ。
さて、ここで面目の話が出てくる。
前田利家がむかつくので、嫌がらせをしたい。でも、主家である織田から恨まれるのは御免こうむる。面目を保ちつつ嫌がらせをしよう。
そうだ、仕事辞めよう。
フリーターって言葉あるけど、フリーダム過ぎるだろ戦国時代の就職事情。
ちなみに、そんな結論に到達した筆頭
荒子城「城代」 奥村 永福。
城代ってなんだかわかるだろ。城主の代理って事だ。
乾いた笑いしか出てこねぇよ!!
とりあえず。仕事放り出して逃亡した正社員の後始末を派遣社員に丸投げしてるような状況だ。逃げ出してぇ…
とりあえず、気を取り直して現状の確認だ。
はい、じゃあ臨時配下の足軽君。帳面持ってきて。
…え?ない?
ないってなに?いやいや、怒ってないよ。正直に本当の事を話してくれ。
どうやって備蓄って管理していたの?
入った分だけ入れて、出す分だけ出す?
いつもは、数ヵ月分が残るから大丈夫だと。
ああ、なるほど。備蓄ってそうやって管理しているのね。なるほど、そりゃ籠城戦で備蓄が足りなくなるとか、遠征で食糧が足りなくなって略奪に走るとか話を聞くわけだよ。
きちんと管理していたら、ふつうそうなる前に気が付くわな。
ハハハハ~
はい、全員集合!これより在庫の確認をします!!
いや、キレてないよ。キレてないって!オレをキレさせたら大したもんだよ!!
え?なに?
うんうん。うん?
え?なにそれ?
いやいや、ちゃんと聞いてたよ。ちゃんと聞いてたって。
え、つまり…
…ちゅうちゅうたこかいな。