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36 平和なデスマーチ

日野の周辺は山岳地帯である。

このあたりは平野が少なく、大規模な城を作る事に適していない。そのわずかな平地に集落を作って生活している。だから忍者の里のように独立集団が点在できるのだ。

それと同時に、天然の要害といってよい複雑な地形をしており、僅かな手間で簡素な防衛施設を作る事が出来た。

その為、南近江を支配していた六角家が、敵対する三好に対抗するために、無数の砦や付城を作っていたのだ。

日野から大和との国境の間や、伊賀との間には、実質関所のような防衛施設が二つある。一応は砦なので、若干名だが兵士も配置してある。

大和からの積み荷の関所だったのだが、織田信長の楽市楽座のついでに関所の廃止もされている為、今ではほんど形骸化している。




ヒャハー。年貢の季節だ~!

日野城での初の年貢徴収である。


天正元年八月に浅井(ついでに朝倉)が滅び、近江が平和になり、北側への懸念は消えた。

後、大和の問題を解決させれば、日野城は平和になるのである。


なのに、なぜか日野では皆が武者姿で兵を引き連れている。


もう一度言おう。八月に近江の浅井家の本拠地小谷城が落ちて浅井家が滅んだ。


さて、ここで戦国時代の転職ランキング。

武士が野盗に転職する理由の第一位は『主家が滅んだから』である。

南近江の日野城は、身を隠すのに最適な山岳地域への道にある。


つまり敗残兵問題だ。


前にも話したが、内政団はオレがこっそり雇って育てた者達だ(今はキチンと正規雇用です)。当時、武士でなかった俺が雇った者達なので、彼らの身分も武士ではない。かつて、オレが殿から手当てオンリーで荒子城に勤めていたように、オレが手当てを払って雇っている役職オンリーの者達だ。


そして、兵を率いる権利は武士のモノです。


野盗が出るかもしれない場所に、兵もなくせっかく育った部下を派遣したらどうなるか。考えるまでもない。


何人かは三直家に仕える事で苗字を与えたが、名はもらっても実がないため片手落ち。名実ともに武士なのは中野勝豊君とオレだけ。


つまり、オレとお前で兵を引き連れデスマーチ。


それだけではない、日野城で敗残兵対策に兵を出す。兵を率いる武将の年貢はどうするのか?当然、日野城の内政官がフォローするわけだ。

つまりオレだ。

筒井対策は殿と重臣の一部しか知らない以上、それを理由に断ることもできない。


デスマーチどころじゃねぇ。登用されて以来最悪のデスピカリパレードである。

見かねて助けてくれた蒲生賢秀さん。ありがとう。ありがとう。

ちなみに、蒲生さんの領土は大丈夫だったの?と聞くと。


「あの程度なら。」


との事でした。

蒲生さんパネェ…


次回から、策謀&戦争(?)シーンです。

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