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22 大殿と殿の一家

総合評価20000pt突破。

ありがとうございます。

「饅頭よくやった。」


ご機嫌な大殿に、殿と一緒に平伏して状況報告する。

甲賀忍軍が織田家支持をうちだしていた為だ。


実際、最初の計画では、甲賀を使って内部情報を集め、それを使って、一向宗の僧侶たちを内部抗争させ、一向宗の熱狂を鎮静化させる策だった。


つまり、甲賀の調略はノリです。


いや、甲賀とやり取りしていたら、いろいろ役得があったんだよ。

なにせ、情報収集と長島への情報提供をしてもらうために、甲賀のいろんな家を回ったおかげで、その集落の住人とか里に詳しくなるわけよ。

『住民=兵力』『里に詳しく=国力』。あれ?なんでオレ甲賀の情報集めているんだ?

そなると、甲賀が生き残るために四苦八苦していることがわかる。

まあ、そんなわけで「あれ?これ甲賀を調略できね?」と、気が付いたので、アドリブで調略してみた。

そんなわけで大殿。超ご機嫌です。

とりあえず、オレの借金の脅威は消えたと見ていいだろう。


「饅頭。甲賀を貴様にやる。」

「お断りいたします。」

「なに!」

「トシ!!」


まさかの断り発言に大殿の眉毛が跳ね上がる。こちらを見る殿が顔面蒼白になる。


「貴様、いらぬと申すか?」

「私は今回の策にはかりごとを用いました。彼らに恨みを買っております。私が差配する事で彼らは従いはしましょう。しかし、憎き私の上にある織田家に恩を感じる事はありません。しかし、私が同格あるいは私が下になれば、その恨みは私個人に帰します。織田家の与える恩は織田家に帰します。」

「…」

「ましてや、私は陪臣。私個人に褒美を渡しては、ほかの直臣に示しがつきませぬ。」


ドスドスドス。

荒い足音が近づいて。

歯をかみしめる。


ドカッ!

肩に衝撃が来た。

蹴り倒された先で、再び平伏する。


「…その言上。不愉快である。下がれ!」

「ハハッ」


平伏したままズリズリと下がり、退室する。

あれだけ頑張って蹴り一発とは、泣けてくるな。

とはいえ、延々と恨みがましい目で接されても困るし。


「…小賢しい饅頭よ。」

「と、殿。三直の言。もうしわけ…」

「よい。又左。」

「ハッ」

「次の伊勢ではお前にもそなえを持たせる。あの饅頭も参陣させい。」

「ハハッ」

「励めよ。」






で、その夜。

岐阜にオレの家はないので(荒子城にも正確には俺の家はないが)、殿の屋敷に滞在させてもらう。

騒がしい家族団らんの一角にオレの膳が用意されている。

おまつ様にメシを注いでもらいながら食事をする。


「しかし、トシ。今回も寿命が縮んだぞ。」

「あら、三直様は、大殿に何か粗相そそうを?」


おまつ様、そんな驚くような目でオレを見ないでくれ。別にオレが悪いんじゃないんだよ。陪臣にダイレクトご褒美とか、悪い意味で『効果は絶大だ』でしかないだろ。

信長って頭いい割に、ときどきテンションで迂闊な事するよな。


「粗相なんてもんじゃないぞ。大殿に蹴り飛ばされた時は、どうなるかと。」

「まあ。それで大丈夫だったのですか?」

「なあなあ、ハゲにーちゃん。怪我したのか?」


ハゲ兄ちゃんが、前田家の子供たちからのオレのあだ名である。畜生、コンプレックス直撃させやがって。この後、くすぐりの刑だな。

何気に、オレは前田家の子供にウケがいい。(精神年齢が一緒とか言うなよ、オレは大人だ)おかげで、おまつ様からも受けがよく。家族ぐるみで歓待を受けている。

まあ、オレが殿に「トシ」呼ばわりされる原因でもあるのだが、その辺はまあいいだろう。


「なあなあ、ハゲにーちゃん。これ終わったら、この前の続きを話してくれよ。」

「この前の…どこまで話したかな。」

「仮面の忍者が、龍の勾玉を手に、伝説の逆さ城に乗り込むんだよ。」


ああ、そんな話だったか。日本語にすると星戦争のパクリ。伝説の忍術を使う仮面の忍者ジダイが、呪いを振りまく城“逆さ城”に、乗り込み、捕らわれたお姫様から呪いを解く伝説の『龍の勾玉』のありかを聞いて脱出。勾玉手に入れ、黒の陰陽師と戦う話か。陰陽師は、忍者の父親なのだよ。的なチープなどんでん返しがあるんだが、ま、その辺はファジーに話すか。


まあ、そんな感じで、和気あいあいと食事が続いていくのだが、ふたたび殿からとんでもない爆弾が投下された。


「そうだ三直。お前、嫁を貰ってみないか。」


ブーッ!!


「ギャー。ハゲにーちゃんが吹いた!」

「キタネー!」


なんか、とんでもない爆弾が来た!!


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