09 殿に呼ばれる
昨日、ブックマーク200件ありがとうと言ったら、今日4ケタになっていた。
何を言っているか(ry
ありがとうございます。
お気の毒ですが、三直の心配は、殿の記憶から消えてしまいました。
デンデロデロデロデ~ンデ♪
それでいいのか戦国時代。
『かしこさ』の低い殿に「ふっかつのじゅもん」を念仏交じりに睡眠学習してやろうか!
大殿の親衛隊母衣衆といえども、24時間365日大殿といっしょについて回るわけではない。ましてや、前田利家は前田家当主として荒子城の差配も司っている。
というわけで、殿久々の帰還である。
「まず、わしの留守中。大義であった。今年も織田家は躍進の時。公方様をお守りし、天下布武をなすため、わしも奮闘する故、些事万端よろしく頼む。」
「ハハッ。」
家臣一同頭を下げる。そこに顔を向け、殿は言った。
「わしの留守中は、お前に荒子勢を任せる。」
…
…
もちろん、オレの事じゃないよ。なにせ、評定に出席する権利すらないからね。
そもそも、平民のオレが城代になんてなれるわけがないだろ。
というか、なれと言われても断るわ。
なんせ今は冬。もうすぐ年の瀬だ。
なにが言いたいかって、秋は年貢の季節だろ?
はい、だんだんわかってきましたね。楽しい楽しい地獄の在庫整理がまだ終わってないんだよ。
なんでかって?だって、他の人たちが年貢を倉に入れて終了だと思っているんだよ!
もう、年貢の時期は地獄だったね。
なにせ、『誰が』『どれだけ』『どこに入れたか』っていうのが最低限必要な中で、『オレの分は放り込んでおいたから』で終了だもん。
ヒャッホウ!さあ、みんな台帳片手についてこ~い。
まあ素敵、古古米より手前に新米が山と積まれておりますわ。こりゃ、100年経ったら古古米の付喪神が織田軍に参加するぜ。これが常備米!ナンチャッテ~。
よし、人足呼べ。米俵いったん出すぞ!!
はぁ?年貢の納入が終わるまで米は出せない?なんで?え?誰が年貢を納めたかわからなくなるから?それって、普通わからなくなるようなものなの?いつ終わるの?約2か月後?ああ、そう60日後ね。1年の6分の1を待つのね。
はい、みなさん。皆さんは英気を養ってきてください!
これから私は年貢を納めた台帳改めて、納めていない人の補助に向かいます。
1ヵ月で終わらせて在庫管理するぞ。来月帰れると思うなよ。今のうちに英気養っておけよ!!
というのがあって、一カ月半程度で年貢の納入を終えて(15日ほど予定より増えた理由は察しろ)、そこから、大殿である織田家への上納分を引っ張り出して、今ようやく荒子城の年貢の整理が始まっているの。
なんとか、なんとか年の瀬までに終わらせたいから、セルフデスマーチ。
え?なに?
殿が呼んでいる?ほう?なんで?え?杯を取らすから、来てくれって?あ、そう。殿は酒を飲んでいるんだ。へぇ。で、俺を呼んでいるわけね。
え?怒ってないよ。怒っているわけがないじゃん。
あ、ちょっと行く前に、ちょっと井戸よっていい?頭冷や…顔洗うから。いや、ほんと洗うだけ。洗うだけ。
いや、だから怒ってないって。ほら、オレ笑顔ジャン。
なにを怖がっているんだい小姓君。君の方が武芸だって上だろう。怖がる必要ないじゃないか。