08 検地問題
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ありがとうございます。
さて、第一目標の家臣関係は、致命的な問題もなく、後は時間で随時良好になると思われるので、経過観察状態だ。
で、どうしようもないものがある。
『検地許可証』
岐阜から荒子に移動する際に、殿の空っぽの頭をたたいて書いてもらった書類である。
一応、こいつがあれば検地する権利を持っているのだが。
すまん。甘かった。
戦国時代の農業を甘く見ていた。
田園風景と言われれば、広大な平野に広がる無数の田んぼを想像する。そりゃ、農業機械がない時代だから、そこまで広大にはならないと思うが、農家の周りに田んぼがあって、農耕用の家畜の小屋があって…
それは間違っていない。
間違っているのは、田んぼだ。
パズルもびっくり。曲線描くとか台形とか、そんなレベルじゃねぇ。日本地図の都道府県。あんな形に不定形多角形の田んぼが、あっちこっちにできている状況だ。
そりゃ、コンバインじゃなく人力だから、どんな細い場所にだって田植えはできるだろうさ。
そして、それはまだましなレベル。なんせ、区切ってくれているから。
広大な一枚の不定形の田んぼを指さして。
「あれがオラ達の田んぼだ。」
「お、オラ達?オラ達って誰と誰?」
「え~っと、父ちゃんとオラと兄ちゃん。それと、田吾作おじさんと、おじさんの嫁さんのお父さんと…」
複数家族共同田園!?
も、もしかして検地って、この田んぼを各家ごとに割り振って、生産高を確定させる必要があるの?
ムリムリムリムリ。前にも言ったけど、この時代の農民=足軽なわけで、不当に利益の減少を招けば、即敵勢力寝返OR一揆なんだぞ。どう考えたって領民すべてに公平に再分配なんてできっこねぇ。
なにせ、相手は加減乗除できない人間だもん。今まで10人で200俵のコメを食っていた人達が、それを各一人20俵にします。って言われても、それが適正かどうかの判断はできないんだ。公平に分配したって、一人が消費する量には差が出る。集団で管理すれば個人差はプラスマイナスの誤差で吸収できるが、個人じゃ無理だ。
公平と適正は違うわけだからな。
うわぁぁぁ。大誤算だ。
せいぜい、一定の基準を作って畑の大きさはかって、それを基準に年間生産量を算出し既定の税率で税を徴収するだけだと思っていた。
これで、年貢管理と隠田取締りして、地元豪族の影響力を抑えられるぞ。とか思っていた目算が全部パア。
殿には「検地してないの?大丈夫?フフン」的な上から目線で、認可もらっちゃったし。
うをおおおお…
どうしよう。