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殺人の救世主  作者: おじさん
とある殺人鬼と少女の話
2/102

1-冒頭

「全く、酷いもんだな。何もここまでしなくてもいいと思うが…」


数時間前まで、『村』であった場所を見て一人の男は呟く。


家は焼かれ、人は殺され…間違いなく族の仕業であろう。


だが、無数にある死体は全て村人というわけではなく。


この村であった場所に生存しているのはただの二人だけであった。


一人は、片手に真っ赤に染まった刀を持つ男。


周りには死体の山が積み上げられ、全てが族のものであることが格好から察せられる。


言うまでもなく、全てこの男が殺したものである。


もう一人はというと…


「で、嬢ちゃんは何で俺の裾を掴んでるの? 汚ないよ? それ」


「…別に。特に理由は無い」


その男の傍らに佇む黒髪の少女。


年の功は10歳ほどであろうか。お世辞にも綺麗な格好とは言えないが顔立ちは整っており、見目は麗しかった。


この村のただ一人の生き残り。


殺される寸前でこの男に助けってもらった少女である。


親も、友人も、全員を殺され絶望しきったところに現れたこの男に。


彼女は救われたのだった。


「いやいや、俺は巷じゃ有名な殺人鬼よ? 怖くないの?」


この質問は愚問であった。


「関係、無い。私の命の恩人」


この男がかの有名な人斬りであったとしても。


少女を助けたのもただの気まぐれであったとしても。


少女には何も関係無かった。

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