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そんな彼に一つだけ聞きたいことがあった。
こんな事を聞いたら怒るかもしれないが、どうしても聞かずにはいれなかった。
「ね、陽はどうして、殺人鬼をやっているの…? 理由、教えて…?」
「どうした、藪から棒に…。んー、そうだな…」
別に殺すことは構わないと思う。
確証は無いけど、この人はただの人殺しじゃないと思うから。
だけど、この先一緒にいるならその理由だけは聞かせてほしかった。
「一番の理由は、『病気』だから…かな。異常な殺人衝動はそれが原因だよ」
答えは、予想の斜め上だった。
「病、気…? だから人を殺すの…?」
「あぁ。それ以上の理由はない」
彼は自分の、殺意の原因を『病気』と言った。
そして恐らくだが、それは『嘘』じゃない。
何故分かるか。そんなもの決まってる。
「そっ、か…。陽の言うことなら、信じるよ…」
そんなの『陽』だからという理由だけで十分事足りる。
そして私は、彼の手をぎゅっと握った。
「ちょ、夏生さん!? 何やってるんですか!?」
「陽が、寂しくないように。…私が側にいてあげるの」
それが、私にできる唯一の恩返しだと思うから。
孤独と退屈に苛まれていた私を救ってくれた彼に対する恩返し。
だから、私は彼を一人にはしない。
「…ったく、お前はどんだけ俺を惑わせば気が済むんだ…」
「惑わす…? 本心を、言っただけ」
「まーたそうやって…。でも、ありがとな。側にいてくれ」
…やっぱり笑顔がとっても素敵だと思う。
きっと私はそこに惹かれてるのかもしれない。




