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殺人の救世主  作者: おじさん
とある殺人鬼と少女の話
13/102

1-12

そんな彼に一つだけ聞きたいことがあった。


こんな事を聞いたら怒るかもしれないが、どうしても聞かずにはいれなかった。


「ね、陽はどうして、殺人鬼をやっているの…? 理由、教えて…?」


「どうした、藪から棒に…。んー、そうだな…」


別に殺すことは構わないと思う。


確証は無いけど、この人はただの人殺しじゃないと思うから。


だけど、この先一緒にいるならその理由だけは聞かせてほしかった。


「一番の理由は、『病気』だから…かな。異常な殺人衝動はそれが原因だよ」


答えは、予想の斜め上だった。


「病、気…? だから人を殺すの…?」


「あぁ。それ以上の理由はない」


彼は自分の、殺意の原因を『病気』と言った。


そして恐らくだが、それは『嘘』じゃない。


何故分かるか。そんなもの決まってる。


「そっ、か…。陽の言うことなら、信じるよ…」


そんなの『陽』だからという理由だけで十分事足りる。


そして私は、彼の手をぎゅっと握った。


「ちょ、夏生さん!? 何やってるんですか!?」


「陽が、寂しくないように。…私が側にいてあげるの」


それが、私にできる唯一の恩返しだと思うから。


孤独と退屈に苛まれていた私を救ってくれた彼に対する恩返し。


だから、私は彼を一人にはしない。


「…ったく、お前はどんだけ俺を惑わせば気が済むんだ…」


「惑わす…? 本心を、言っただけ」


「まーたそうやって…。でも、ありがとな。側にいてくれ」


…やっぱり笑顔がとっても素敵だと思う。


きっと私はそこに惹かれてるのかもしれない。

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