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Dragon Sword Saga7『ドラゴン・マスターと竜』  作者: かがみ透
第 Ⅴ 話 ドラゴンの宿敵
13/21

第二の魔族

 戦闘を続けているケイン、ケインの乗るイリシオ、スグリ、ワカクサには、少々疲労が見えてきていた。


 マスター・ソードを操るには、精神力を要する。


 気配のない魔族ボルボからの攻撃を(かわ)しながらであるので、肉体というより、精神の方の疲労である。


 普通の人間であれば、とうに神経がすり減っていたが、マスター・ソードを入手する際に鍛えられた彼の精神は、まだ集中することが出来る状態ではあった。


 カイルの魔法剣のように、ある程度の魔力を温存しておかなければ術が使えないというのではなかったが、マスター・ソードの魔法攻撃は、ケインの集中力と精神力にすべてかかっている。


(あいつは、俺たちが疲れたところを、一気に攻撃してくるに違いない。なんとか奴の気配を読まなくては! )


 魔族に致命的なホワイト・ドラゴンの力のないことを、痛感していたケインで

あった。


 次第に湧いてきそうになる焦りを封じるように、冷静さを取り戻すよう、彼は努めた。それが出来るのも、彼にはわかってきた、ということが大きかった、ボルボの弱点が。


(スグリさん、ワカクサさん、俺に考えがある。次に、俺が技を放ったら、奴から離れて、俺の後ろに回ってくれないか? )


 ケインは、心の中で、ゴールド・ドラゴンたちに呼びかけた。


 それが通じたように、スグリとワカクサは赤く光る目だけを、ケインに向けた。

 イリシオの背の上に、立ち上がったケインが、マスター・ソードを構える。


『 ふん、何の真似だ? 貴様達が疲労してきていることなど、俺にはお見通しだ。今さら、無駄なあがきか? この俺には、貴様の弱点はわかっているのだぞ、マスター・ソードの使者よ。我々魔族にとって致命的である白の術を、未だ放っておらぬところを見ると、そのマスター・ソードは、まだ未完成であるのだろう。ダーク・ドラゴンの力にさえ気を付けておれば、不完全なマスター・ソードなど、恐るるに足らぬわ! 』


 ボルボは、青白い顔を、にやりとゆがめると、姿を消した。


「来る……! 」


 ケインの瞳が光ったのは、ボルボが目の前に現れたと同時だった。


 ごおおおおおおお……!


 黒い炎が、マスター・ソードから噴射された。


 誰もが見たことのない、得体の知れない半透明の黒い炎であった。

 だが、それが今までの赤い炎とは違う、数段上もの威力を持ち、すべてを焼き尽くす業火であることは、一目でわかる。


『おああああああ……! 』


 一瞬にして、魔族の身体を貫通した黒い炎は、遥か彼方まで留まるところを知らずに、吹き抜けていった。


 ボルボの目はこれ以上にないくらいに見開かれ、業火の中で、全身を、燃え盛る黒い炎に、貪られるようにして、焼き焦がされていった。


 地上にいる者たちも、ケインの後ろに避難したドラゴンたちも、信じられぬものを見たあまり驚き、一言も口を利くものはいなかった。


 マリスとクレアは、ただならぬ気配に、後方を見た。

 まだ距離はあるが、数頭ものゴールド・ドラゴンが向かってくるのが見える。


 そして、そのドラゴンたちも、ぼたっと地面に落ちた、黒焦げの燃えかすのようになってしまったボルボを、信じられない表情や、驚愕の表情で見入った。


 我に返ったカイルが、とっとっとっと、ぶすぶす(くすぶ)っているボルボに近付いていき、


「サイバー・ウェイブ! 」


 魔法剣から浄化の霊気を当てた。


 黒焦げの塊は二度と動くことはなく、みるみる灰になって、風に巻き上げられ、散っていった。


 ケインを乗せたドラゴンのイリシオと、スグリ、ワカクサが、地上に降り立った。


「ふう、やっと倒せたな。あいつ、炎の技でやられたところは再生するのが遅いみたいだったから、もしかしたら、火に弱いのかなーって思って、今出来る中で、最高の『黒の炎』の技を試してみたんだ。ここまでの威力を発揮するとは、俺も、知らなかったけどな」


 ケインが、安心して微笑み、額の汗を拭った。


「乗せてくれてありがとう! イリシオさんに助けられなかったら、とてもあいつを倒せなかったよ」


 ドラゴンの背から飛び降りたケインは、イリシオの前足に、感謝の意を込めて、手を乗せた。


『……きゅ、救世主……なのか!? 』


 後から来たドラゴンの一頭がもらした言葉をきっかけに、他のドラゴンたちも叫び出した。


『彼は、我々を魔族の手から救いに来てくれた、救世主に違いない! 』

『そうだ……! そうに違いない! 』


「えっ? 救世主? どこに? 」


 ケインがきょろきょろと見回していると、ドラゴンたちが、次々とケインの周りへと集まり、ドラゴン・マスターだの救世主だのと捲し立てたのだった。


「えっ、俺のこと? お、おい、待ってくれ、救世主だなんて、そんな大それたモンじゃ……! 」


 つい先程まで、迷いもなく敵を倒した、戦闘態勢であった勇者には見えないほど、ケインが狼狽(うろた)えているのには構わず、ドラゴンたちは四つ足を低くし、翼を地面に平伏し、深々と頭を下げたのだった。


 その様子に、嬉しそうに微笑むマリスと、安心して、ホッとした顔になったクレアが、顔を見合わせて、さらに笑った。


「おっと、俺のことも忘れてもらっちゃ困るぜ。なにしろ、あの魔族にとどめを刺したのは、この俺なんだからな」


 カイルが得意そうに鼻の下をこすったが、マリスとクレアが笑っただけで、ドラゴンたちには聞こえていなかった。




「ケインて、ホント変わってるわね」


 人間界とは、また違った形に輝きを放つ星空の下、岩の上で、両足を抱えた格好で、マリスが言った。


「そうか? マリスに、そんなこと言われるとは思わなかったな」


 背中合わせに、岩に腰掛けているケインが、吹き出した。


 ベビードラゴンよりも大きなその岩には、二人の他に、カイル、クレアも乗れるほどだ。


 クレアも続いた。


「本当に、ケイン、すごかったわ。まさか、本当に、上級魔族を倒しちゃうなんて」


「皆、忘れてるようだけど、あくまでも、とどめは俺が刺したんだぜ? やられたフリして、いきなり起き上がったら、大変だろ? 」


「ええ、わかってるわ、カイル。あなたの浄化の魔法があってこそだったわ」


「だろー? 」


 カイルとクレアのやり取りで、四人はひとしきり笑った。


「あなたの読み通りだったわね。この竜神の領域では、マスター・ソードや他の魔法も、人間界より有利に働くっていうのは」


 アメジストのように輝くマリスの瞳が、感心して、ケインに向けられた。


「でも、なんで、ダーク・ドラゴンを呼び出さなかったの? いつも、強敵の時には、使ってるのに。ダーク・ドラゴンが騒いでる気がしたって、言ってたでしょう? 最初っから、それをぶっ放せば、もっと早く片付いたのかも知れないじゃない? 」


 マリスは不思議そうに、ケインを見る。

 カイルとクレアも、座ったままで、ケインを振り返った。

 ケインは、微笑して答えた。


「ゴールド・ドラゴンの巣に、影響があったらいけないと思って。いつもやってるダーク・ドラゴンを呼び出す技は、切り札に取っておいたんだ。もしかしたら、俺の想像を超えるほどの威力を発揮しちゃって、ドラゴンたちの洞窟にまで影響を及ぼしてしまったら……? と思ったら、なるべく、あの技に頼らないで、ボルボをやっつけようと思ったんだ。幸い、炎の技がうまく行ったから、ダーク・ドラゴンの出番はなくて済んだんだけど」


 三人は、意外そうな顔になった。


「そうだったの。ドラゴンたちのことを考えて……だったのね。あたしだったら、きっと、そんなことまで考えなかったと思うわ。ケインは、やさしいわね」


 微笑んだマリスは、横からケインを見上げた。


 ケインは照れ隠しに目を反らしたが、ほんのり赤くなった頬は、隠せなかった。


 それから、何の気なしにマスター・ソードを鞘から抜き、夜空にかざしてみた。剣を眺めているうちに、胸が高鳴っていく。


「未完成なマスター・ソードでも、上級魔族を倒せた。俺自身の精神力が、もっともっと強くなれば、より高度な技だって、使えるようになるはず。頑張らなくちゃな」


 剣を居抜き、夜空の星々までも届きそうな強い志の現れた瞳は、新たな決意に輝いていた。


(不思議な人……)


 マリスは、剣を眺めるケインの背を通して、マスター・ソードをーー彼を、見つめた。


(あたしは、この人の実力を、ちゃんとはわかってない。それは、多分、本人もみたいだけど)


(あたしと、どっちが強いのかしらね? )


 純粋な疑問であった。


 彼には底知れない力が秘められており、今後も増々鍛えられ、腕を上げていく予想が、マリスにはついた。

 外見的には、いかにもそのような才能のある猛々しい勇者というのとは違い、普通の青年にしか見えなかったのは、彼女だけではなかったが。


 その力を、もっと見てみたいと思う彼女の気持ちは、ヴァルドリューズと離れてから、一層強まっていた。


 その時、ドラゴンたちが、洞窟の側を行き来しているのが、一行の目にとまった。


 何気なく、ケインが口を開いた。


「ドラゴンの皆も、今夜は忙しそうだな」


「そりゃそうだぜ。お前と俺が魔族をやっつけたりしたから、皆、調子付いたんだぜ」


 カイルが笑った。


 ケインがボルボを倒し、マリスやカイルもダメージを与えるほどの戦力があったと認めたゴールド・ドラゴンたちは、それまで眠らせていた闘志に火がついたように、活気を取り戻していた。


 倒したのが、例え魔族ひとりであっても、神竜的な存在であるドラゴンたちにとっては、神の啓示のように思えたと言えた。


 さらに、自分たちの遠縁にあたる獣神の巫女であるマリスの存在も、大いにそれを裏付けていた。


 クレアも、自分が役に立たないことよりも、彼らの腕が、ドラゴンたちに認められたのは嬉しく思っていた。それまでの彼女であったなら、自分だけが役に立たないと気に病んでいただろうが、マリスの言葉で少し吹っ切れたようだった。


(時がくれば、私でも……! 今の私に、出来ることをやらなくちゃ! )


 人知れず、クレアの心の中にも、わずかな変化が起きていたのだった。


 ドラゴンたちは、長年にわたる魔族の嫌がらせに終止符を打とうと、戦闘の準備に入り、いくつかのグループに分かれたり、作戦を立てたりと、(せわ)しなかった。


「グルルル、ピー」


 ベビードラゴンがやってきて、ケインの座るすぐ横に立ち止まる。


「ベビー、お前も明日来るのか? 」

「グルルル、ピー! 」


 ケインの問いかけは通じているように、ベビーは喉を鳴らしながら応えた。だが、まだケインには、彼の言葉は聞こえて来ていない。


「そうか。お前も、頑張れよ」


 ケインは、ドラゴンの顎の下を撫でた。


「今度は、俺も乗せてくれよな! 」


 カイルが、やんや言いながら、ベビードラゴンの前に立ち、クレアは、座っている位置から、背中越しに見つめ、微笑んでいる。


 突如、何かが、マリスを襲った。


 傍目にはわからなかったが、確かに、彼女にだけ感じる、霊感のようなものであった。


(ケインのマスター・ソードやカイルの魔法剣は、想像を超える威力を発揮している。その上、士気の高まったドラゴンたちが加わって、ドラゴン側に有利な戦いになることは目に見えているのに……嫌だわ、なぜか、悪い予感がしてならない……! )


 ベビードラゴンとケイン、カイル、クレアに背を向けたまま、マリスは膝を抱えて、悪寒が消えるのを待つように、(うずくま)った。


 そんな彼女の異変に気付く者はいなかった。




 数十分ののち、ドラゴンと人間たちは、同じ荒野へと訪れていた。

 ボルボの死に気付いた魔族が現れる可能性が大きかったからである。


 ドラゴンたちは、王と、その護衛を務めるものたちを除いた二三頭が、集まっていた。


 先導者的な立場であるスグリには、ケインが乗ることになり、マリス、カイル、クレアを乗せるドラゴンも、決まっている。


 マリスを乗せるドラゴンは、先ほどのワカクサとは交替し、少々無鉄砲で気の荒いドラゴンとなっていた。


 心配そうなクレアを、カイルは自分の後ろに乗らせるため、二人は、同じドラゴンの背に乗っていた。そのすぐ後ろには、ケインの指示でベビードラゴンがついている。


 ドラゴンたちは群れとなって、ボルボとの戦場となった、荒野の上空を旋回していた。


 そのような異変に気が付いた小動物たちは、早々と逃げ出した。まるで、これから起こる戦闘を予期したかのように。


「グアアアア! 」

「グアアアア! 」


 魔族を挑発しているドラゴンたちの雄叫びが、辺りに(こだま)する。


 先頭を飛んでいたスグリが、何かの気配を察し、旋回を止めると、空中に留まった。

 背に乗ったケインも、じっと前方を見据える。


 隣を飛んでいたマリスが、突然、竜たちを振り返り、声を張り上げた。

「来るわよ! 気を付けて! 」

 そう言い終わらないうちであった。


 しんがりのドラゴンが、いきなり絶叫し、血を噴き出して、弧を描いて落ちていった。


「なっ……! 後ろにも!? 」


 カイルの叫びは、皆の思いを代弁していた。


 気が付くと、ドラゴンの群れを、五角形に取り囲むように、五人の魔族が、空中に姿を現したのだった。


 小柄なもの、太ったもの、痩せたもの、背ばかりが異常に高く、身体の厚みがないものなどである。


 どう見ても、ボルボですら一番まともに思えたほど、それらの魔族は、人の形はしていても、明らかに人ではないのは、一目瞭然だ。


 だが、ひとりだけは、違っていた。


 ボルボと同じく黒いマントをはおり、一見魔道士に見えなくもない。

 青白い皮膚をした、死人のような落窪んだ目、その下の深く刻まれた隈、白髪の混ざった青く長い髪をだらりと肩に下ろし、片目は髪に隠れている。

 頭部の両脇には、ねじ曲がった枝のような角がある。


 それは、女であった。


 黒い衣服で全身を覆い隠し、背からコウモリのような、ドラゴンたちと形の似ている筋張った黒い翼が、対になって生えている。

 その翼をはためかせ、宙に浮かんでいた。


『腑抜けのゴールド・ドラゴンどもが、寄ってたかって、いったい何の騒ぎだ? ボルボを殺したのは、もしや、お前たちなどという()れ言を、言うわけではあるまいな? 』


 女にしては、低くしゃがれた声であった。

 声と言っても、人には、そのように聞こえているだけで、実際は、ドラゴンと同じく、思念にすぎないのだが。


 その口調は、明らかに、ドラゴンを軽視し、己の種族の力の方が(まさ)っているという、絶対の自信に満ちていた。


 スグリの上で、ケインが言った。


「ボルボを()ったのは、俺だ」


 じろりと、魔族の女の(おもて)が、向けられる。

 からくり人形のような、表情のない、不気味な顔であった。


『たかが人間如きに、我が愛人ボルボがやられたというのか。情けない。どのような奇遇が重なれば、そのようなことが起こり得るものなのやら』


 愛人が死んだという割りには、女は平然としていた。

 死を悼むよりも、単に疑わしいだけのように見える。


『リリド様、ボルボ様は、確かに、その人間の男の剣にかかって、死んだのです。我は、全て見ておりました』


 まるまるとした魔族が、手を丸めながら、うやうやしく意見した。


『あの男の剣は、ただの剣にあらず。かのマスター・ソードにございます』


『なに? 六〇〇年前に地上に降り立ったマスター・ソードが、再び現世へ現れたというのか? ということは、あの者は、ドラゴン・マスター……』


『そのようで、ございます』


『道理で、ドラゴンたちを操れるわけだ』


 リリドの目は、くわっと縦に見開かれた。外見上は人間でも、その黄色い瞳を見る限りでは、大トカゲやサラマンダーなどに近く、人間界で言う爬虫類を思わせる。


 みるみる魔女のどす黒い紫色の唇が、吊り上がっていき、ますます爬虫類的な外見に近付いていく。


『面白い! ドラゴン・マスターを得た竜の戦い、とくと見せてもらうわ! 』


 リリドの翼が、ばさっと音を立てて広がると同時に、大きく飛んだ。


 スグリの上に立ち上がったケインも、剣をリリドに構える。


 後方では、既に、竜族と魔族の戦いは、始まっていた。


 ボルボと同じく、消えたり、現れたりする魔族に、ドラゴンたちの口から発せられる光線、炎などが、あちこちで見られる。


「サイバー・ウェイブ! 」


 カイルの魔法剣の術が、円を描き、魔族に迫っていく。


 逃げ遅れた痩せた魔族を、銀色の竜巻が、(から)め捕った。


 奇妙な叫び声を上げたその魔族に、マリスを乗せた竜が突っ込んでいき、バスター・ブレードが、それを縦に真っ二つに割った。


 痩せた魔族は、声を上げるまでもなく、灰となり、消滅した。


「やったぜ! 早くも、魔族一匹撃破! 」


 カイルとマリスが、片腕を上げて、ガッツポーズをし合った。


 クレアは、カイルの後ろで、全体の戦況を見守り、魔の気配を探っていた。


「気を付けて! 右後ろから来るわ! 」


 近くのドラゴンに叫ぶ。ドラゴンたちが、クレアの忠告に従ってよけると、そこには、小柄な魔族が現れたのだった。


 巫女であった彼女は、戦いに専念するドラゴンたちよりも、邪な存在に敏感であった。


『おのれ、小娘! 人間の分際で、我の気配が、わかるというのか! 』


 ひしゃげた顔のその魔族は、怒りの形相をあらわにして、クレアに掴み掛かろうと、ボルボのように、瞬時に腕を伸ばした。


「おっと、そうはいかないぜ! 」


 悲鳴を上げて伏せるクレアを、ひらりとまたいで、カイルが立ちはだかり、銀色の波が、魔族を襲った。


『ちっ! 』


 咄嗟にかわした魔族は、魔法剣の技を警戒し、迂闊に近寄れないのを、悔しそうに睨んでいたが、そのうち、ふいっと姿を消し、他のドラゴンを狙い始めた。


「助かったぜ、クレア! さ、マリスは、多分大丈夫だろうから、あっちの方に行って、ドラゴンどもの助っ人をしてやろう! 」


 カイルが、ポンとクレアの肩に手を置いて、にっこり笑った。


 二人を乗せた竜は、大きく迂回すると、ひしめき合って、戦う仲間たちの方へと、方向を変えた。


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