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第1話 降臨初日

現代に弥勒様が舞い降りたらどんな苦労が

あるのだろうか。

きっと理解できないことも待ち受けているのじゃないか。

そう思い面白可笑しく描いてみました。

楽しんで読んでいただけたら幸いです。


その日、地上に一つの光、一つの希望が天から舞い降りました。そう、救世主弥勒様が地上に現れたのでございます。人々を救済せんが為に。


 場所はある大きな街の繁華街、そこの路地裏の場所で弥勒様は簡単な布キレを見にまとい、まだ眠っておられました。


そしてある男2人組に弥勒様は起こされたのでございます。


「おい!兄ぃちゃん。こんな所で寝てたら風邪引くよ。兄ぃちゃん?」


そういうと2人組の男達は弥勒様を揺すったのでございます。


「なんや兄ぃちゃんそんな格好で、追いはぎにでもあったみたいやな~。今時ホームレスでももう少しまともな格好してんで。」 


そして初めて弥勒様は地上にて目を覚まされることになったのでございます。


初めて見られる地上の世界、目の前には男2人、身なりは2人とも青い服で帽子を被り、腰には木の棒と拳銃を付けていた。


なるほどこれはこの世界の秩序を守っている警察と言われる者達だな。


博識な弥勒様は瞬時にして2人の職業を察してしまうのでした。そしてこう言われたのです。


「警察の方達、私のこの格好は神が与えた一つの業だと思って下さい。神は私にいつも試練を与えますが、それはまた必ず乗り越えられる試練なのです。だから例え今日が今年一番の冷える夜であってもそれは神が与えた一つの試練なのです。そして私はいつもそれを乗り越えるのです。」


警察官2人は不思議な顔で弥勒様を見、お互いに顔を見合わせ言ったのです。


「兄ぃちゃん。お家どこ?お家分かるかな?」


弥勒様はこう説きます。


「家と言う物はありません。俗の世を捨てないと悟れないものもあります。あえて言うなら彼岸でしょう。こちらでいう天国ですか?そこが私のお家です。」


警察官は弥勒様の説教に耳を貸すことなく続けて弥勒様に質問されます。


「兄ぃちゃん。家族はいるのかな?お父さんかお母さん。迎えに来てもらおうか?」


弥勒様はこう説きます


「家族も悟りの為捨てました。あえて言うなら仏が私の父、母となりますし、誰にも仏の心があるのですから、この世の人々が私の父であり母であります。」


警察の方々なぜか少し苛立ったご様子になりそして弥勒様に理解に苦しむ質問をしてきたのでございます。


「兄ぃちゃん、おじさんの口に、はぁ~してみようか!」


弥勒様は困りました。


「警察の方々質問の意図が・・・」


「兄ぃちゃん変なものやってないやろな~」


「後でばれたらもっと罪重くなっちゃうよ~」弥勒様は2人の言動が理解出来ずに困り果てます。


「兄ぃちゃんとりあえず、その格好じゃあれだし、パトカーに乗って話聴こうか。」


えっ?なぜでしょう。この方々は私の話聞いてたのでしょうか?


「警察の方々この格好は神の業というものでしてね。」


「はいはい。分かったから、とりあえずパトカーでね。話聴くから。」


えっなぜ?御馬鹿なんじゃないこの御2人、私がパトカーに乗る意味が分かりません

そう弥勒様は思われて警察官の手を振り解こうとしましたが、なにぶん長くの苦行の為、筋肉はだいぶ細くなられていて、力が足りませんでした。


「えっ!警察様パトカーとか私嫌なんですけど、ぜんぜん悪いこととかしていないではないですか。なぜ?なんで?意味が本当に不明なんですが!わかった!分かりました!救いますから。魂救いますから。

あなた達の罪を赦しますから~!パトカー嫌ーーー!」


弥勒様は地上で初めて駄々をこねられ、初めてパトカーにお乗りになり、生まれて初めての事情聴取をお受けになるのでした。


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