02-15 選択科目
「君達、授業に遅れる事が多いけど、何か理由でもあるのかな?」
「……いえ、大してその様な事は」
結局遅れてクラスに到着した四人は、早速フィズ先生のお咎めを喰らってしまった。席の方に目を向ければ、四人の場所だけがぽっかりと空いてしまっている。
「で、アレイシアさん。一昨日までとは気配が全く違う気がするんですが……まぁそれは今は置いといて、選択科目は決まったかな? こちらの三人は既に出してありますよ」
「あ……まだ出してなかったわ」
流石はSクラスの先生、アレイシアの気配の違いに気付かない筈が無かった。だがその事をスルーして、アレイシアは選択科目についての事だけを返す。
「ならとりあえず、急いでこの紙に選択科目を記入しておいて下さい」
「分かりました」
フィズ先生から渡された紙を持って、先に座った三人に続いてアレイシアも席に付く。
その紙に目を通せば、記されているのは興味深く面白そうな科目の数々。魔法魔術の各系統、剣術槍術などの武器、体術などもある。その中からアレイシアは、決めてあった科目、魔法魔術全系統と実践戦闘、剣術、研究科にチェックを付けてフィズ先生に提出した。
「ん……これはちょっと多すぎないかな?」
「多分何とかなるわ、きっと、恐らくね」
「……そうかい」
そう言ってフィズ先生は、机の中に紙をしまう。アレイシアが選んだ多くの選択科目、彼女にとっては剣術以外、かなり楽だと思われた。
昼食の時間が過ぎる。今日からは午後の選択科目の授業もあるため、今までみたいに昼食は別の場所でという訳にはいかないのだ。
食堂は校舎の五階にあり、そこでアレイシア含む四人は昼食をとっていた。肉料理をこの国独特の、フォークとナイフを合わせた様な食器を使って食べるアレイシアに、食事を中断したクレアは話しかける。
「アレイシアさん、選択科目の方はどうしましたか?」
「えーと……てけとーに魔法魔術全系統と、研究、剣術、実践戦闘科を取ったわ」
「それは少し多すぎると……」
フィズ先生と同様に、アレイシアが取った科目の多さを心配するクレア。あまり多くの科目を選び過ぎると、その科目が疎かになってしまう恐れがあるからだ。
「この学園の指導方針は、得意な事を伸ばす、興味のある事をやらせる、だったでしょう? 私は魔法魔術と実践戦闘は得意だし、剣術と研究には興味がある。なら、やらない道理は無いわ」
「ですよねー……」
「得意な事が多すぎるんですよ……」
クレアとフィアンに、いつも通り呆れられるアレイシア。彼女としては、いい加減呆れないでほしいというのが本音なのだが――彼女は平常運転だった。
「私は水風系統魔術と、魔法、研究、実践戦闘科を取ったわ。魔術は多くても、普通は三つの系統しか取らないものなのよ?」
「……えー」
そう言うのはシェリアナだが、それでもかなり多く選んだ方だということを指摘する者はここにいない。
「私も、魔術は火だけしか取りませんでしたし」
「……あー」
アレイシアは、どうも申し訳ない気持ちになってしまう。だが、多くの科目を取った事により、他の三人と一緒に選択科目を受ける時間が増えたというのも、また事実だろう。
昼食を終え、話し合いの末、四人とも偶然取っていた実践戦闘科へとまず向かう事にした。
今まで受けてきた必須科目とは違い、始めての魔法魔術を使う授業のため、当然四人は期待を胸にクラスへと向かって行った。
次から章を変えるかどうか、悩んでおります雪です。しっかりとした、ふぁんたじぃな授業を始めるのは次からですからね!
ペースは一応上がっていますが、改訂前に追いつくよう頑張っていきますのでっ。