表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/100

02-05 落ち着かない入学式の日

 引越ししてましたっ!(ごたごたばたばた。

 五日くらい前には書き上がっていたのですが、なかなかUPできるタイミングが合わなかったです。

 大体、気づけば更新予定の夕方の七時を過ぎていたり……。


 久しぶりに書店へ行って小説を買って読んでみた結果、改行の入れ方に気付かされました。なので少々違いがあると思います。

 今話は改定前よりもだいぶ落ち着いたかな、きっと、多分。

 入学式が行われる校舎北の大ホールはこの日、入学基準に基づいた十二歳から十六歳までの多くの生徒であふれていた。

 教師が十数名、そんな多くの生徒を整えて列に並ばせている。勿論、教師も生徒も決して人間に限らず、いわゆる獣人やエルフ、小人なども混じっていた。

 アレイシアとフィアンの二人もこの大ホールに入り、人の多さに戸惑いつつも指示に従って列の後ろについた。


 それから間も無く入学式が始まった。学園の規則や設備の説明から入り、校長の挨拶が行われる。

 校長の挨拶といえば無駄に長いのが定番であるが、この学園の校長はそれほど長く話さなかった。しかし、この学園に校長は三人もいるらしく、それぞれイルクス王国、メアル皇国、リレネフ帝国という三つの国の者だそうだ。

 普通に一人による長い話を聞かせられるよりは余程楽ではあるが、三人合わせた長さはゆうに半刻を越え、ほとんどの生徒はうんざりとしているようであった。勿論アレイシアとフィアンもその内の一人、いや二人である。


「……えー、この魔法魔術学園では、皆さんの魔法魔術の扱い、そして知る事への好奇心を養う……」


「暇ねぇ……暇、暇…………」


「アレイシアさん大丈夫ですか?」


 狂ったように暇と繰り返すアレイシアを心配してフィアンは声を掛ける。しかし、その言葉に対しても暇という言葉しか帰ってこない。


「暇、ひま……クククッ、あの校長を燃やしてみるのも」


「ちょっ、性格変わってますよ……!」


「……あれ、私は何を?」


「そこ、静かにしなさい!!」


 巡回していた教師に注意され、二人は勿論その場ですぐに謝った。アレイシアも暇と呟き続けるのをやめたようだ。


 そして、長くて無駄の多い校長の話が終わり、次の魔力検査とクラス選定のために入学生は全員中ホールへと向かう。

 合わせて半刻にも及ぼうかという程の校長の話は結局、"これからの七年間、皆健やかに勉学に励んで立派な大人になって下さい"とまとめられる事が分かった。


 中ホールでは、先ほど大ホールにいた生徒全員が集まって異様に長い列を作っていた。

 その列はホールの中央、長机に並べられた直径一テルム(二十五センチメートル)程度の水晶球へと向かって伸びており、空いた所から順番に生徒が水晶球に手をかざして行くのが見える。

 恐らくあれが魔力検査のための魔導具かと見当を付け、アレイシアはどうにも進む気配の無い列の最後尾に着いた。




「えー、次はアレイシアさんですね」


 ふと、思考に耽っていたアレイシアは我を取り戻す。何時の間にか水晶球の前にまで来ていたのだ。

 前を向くと、入学書類の時にもお世話になったフィズ先生が水晶球を挟んだ向かい側に立っていた。


「久しぶりだね。……と言うほど、まだ時間は経っていないかな?」


「それでも私にとってはかなり久しぶりね」


「ははっ、そうか。じゃあまずは学園証を出してくれるかな? 魔力検査の結果とクラスを記さなきゃならないからね」


 アレイシアは、スカートのポケットから学園証を取り出してフィズ先生に手渡した。フィズ先生はその学園証を右手に持ち、左手を水晶球に当てる。


「この水晶球に手を当ててそのまま待ってね。大して何も起きるわけではないから、安心して良いよ」


 そう言われ、アレイシアは恐る恐る水晶球に手を当てる。ひんやりとした硬質な触り心地だ。すると——


 ビシッ、パキッ……


 突然水晶球が発光し、表面には亀裂が走る。アレイシアが触れる場所から亀裂は広がっているようだが、幸いそれが割れることは無かった。


「これは……!?」


「大して何も起きないと言ったのは貴方よね……」


 発光が収まる頃には、フィズ先生が右手に持っていた学園証に多くの情報が新たに書き込まれていた。アレイシアとフィズ先生は恐る恐るといった感じでその学園証を覗き込む。寮室、クラス、魔力量の項目を順番に見て行くと、あまりにも異様なことが書かれていた。

 本来は魔力量だけがある筈の項目にはしっかりと、魔力、霊力、妖力、神力と分けてそれぞれの量を数値化された値が書かれている。それも、魔力に至っては七千五百という平均をかなり上回る大きさだ。霊力は百二十一、妖力は百四十二、神力は六百四十三と、魔力以外の項目もそれなりの量を示していた。

 そして、クラスの項目にエングライシア(英語)のアルファベットで書かれた"S"という記号は、最も高位のクラスを示すものだ。

 しばらく固まっていた隣のフィズ先生は、書かれていたことを理解すると突然ぶつぶつと独り言を始める。


「うーむ……流石、国王様が直々に推薦状を書かれただけはあるな……というかそもそも霊力と妖力ってなんだ? それに神力は神族しか扱えない筈なんだぞ? 何で吸血鬼の少女が神力を持って……魔力だって、一般的な人間が百程度の筈で、さっきここを通って行った吸血鬼の娘も七百だったのに。本当に君は何者なんだ?」


「……多分、普通の吸血鬼だと思うわ」


 何やら一人小声でフィズ先生は呟いていたが、さりげないその問いにアレイシアはそう答える。

 その後、謎の発光現象のせいで騒がしくなったホールからなるべく早く離れようと、学園証を受け取ってすぐにアレイシアは離れて行った。




 中ホールでの魔力検査後、アレイシアはフィアンと決めてあった待ち合わせ場所である、中ホール横の花壇の周りへと向かう。

 その場所に到着してみれば、既にフィアンがベンチに座って待っていた。


「あ! 終わったんですか?」


「終わらなければ来ないわ。それで、クラスどうだった?」


「アレイシアさんから言ってくださいよー、私はあとで言いますから」


 何を考えての事かは分からないが、フィアンはアレイシアの後に言う事を望んだ。

 それは彼女の自信の表れなのかもしれないが、アレイシアはどうも自身の結果を言いたくなくなってしまう。


「えっ……まぁ、いいわよ。私はSクラス」


「じゃあ私と同じクラスですね! 学園証も見せて下さい、これが私のです」


 フィアンもどうやらSクラスに入れたようで、二人ともそれぞれ別の意味で安心する。

 しかし、アレイシアにとってはその安心も束の間。差し出された彼女の学園証の下部を見てみると、魔力は五百十五、クラスの項目はSと書かれている。

 これを見れば、アレイシアがどれだけ多くの魔力を持っているかが理解出来るだろう。彼女は学園証を見せることに後ろめたささえも覚えてしまう。


「えー……私の学園証ね。これだけど、あまり見せたく」


「えー? 見せて下さいよ!」


「あ、待って! ちょっ……」


 するとすぐに、フィアンはアレイシアの手から学園証を奪い取ってしまった。

 アレイシアはただ、学園証を離すまいと高く持ち上げられたフィアンの手の下で舞う他なくなってしまう。


「へへっ、私も見せたんですから、見せてくれないと不公平じゃないですか!」


 フィアンは楽しそうに逃げ回りながらアレイシアの学園証に目を向けた。

 背後から覆い被さるようにアレイシアは止めに入るが――既に遅かったようだ。


「ぇ、えっ、ええええぇぇ!?」


 満面の笑みが消え失せ絶望の表情を浮かべるフィアン。アレイシアも、彼女の背中の上で脱力してしまう。


「うぅぅ……何か自信なくなってきました」


「だから言ったのに……大丈夫よ、私がおかしいだけだから」


「…………」


 その予想外過ぎる発言に、ついにフィアンは黙り込む。

 午後からはクラスでの授業に関する説明があるために、早く立ち直ってもらわなければならない。

 結局、アレイシアは寮室に戻って昼までフィアンを慰め続ける事となった。







 正午の八刻を過ぎ、二人は学園学園西にある校舎へと向かう。学園指定のローブと靴を身に付ける必要があったので、着ていた服の上からローブを重ねておいた。

 寮から校舎まではかなり離れており、毎日これを歩くのかと思うと気が滅入りそうだ。

 アレイシアもフィアンも貴族、移動は馬車を使うことが多く、長い距離を自ら歩く事は少ないのだった。

 それでもやっと、校舎に辿り着いた二人は、一年Sクラスがあるというの第一校舎の三階へと向かう。

 廊下には、アレイシア達と同じ入学式を終えたばかりの者や、一つ学年が上がった二年生以上の者など、多くの人が行き交っていた。

 しばらく廊下を進むと、天井が五階まで吹き抜けになっている円形のホールに出る。吹き抜けの高い天井にはシャンデリアが吊り下げられ、ホールの淵を沿う様に設置されている螺旋スロープがそれぞれの階へと繋がるようになっていた。


 ————ガッ!!


「わゃっ!?」


 三階へと上ろうとスロープに差し掛かった時。突然アレイシアが何者かに衝突され、床を転がり体を打ち付けてしまう。

 咄嗟にフィアンは後ろを振り向き、アレイシアにぶつかってきた張本人を確認する。するとそこにいたのは、茶髪でやや痩せこけた印象の犬人だった。


「嬢ちゃん達……周りはしっかと見て歩こうな?」


「な、何ですか貴方は!? 貴方からぶつかって来たんでしょう?」


 明らかにぶつかってきたのはこの男。因縁をつけて謝らせるような態度に、フィアンは相手に構わず怒る。今の彼女はどこか髪の毛を逆立てているようにも見えた。


「いや、黒髪の方。お前の靴が俺の足に当たって擦りむい……」


「黙りなさい」


 アレイシアは威圧的な言葉をかけつつ顔を上げる。挑発されたように感じたのか、男はやや怒りを表情に顕す。


「そっちが謝らないのなら実力行使で行かせてもらうが、今ならまだ間に合うぞ?」


「そちらもその気なら、私も実力行使で行かせてもらうわ」


 文字通り尻尾を巻いてフィアンは完全に怯え切ってしまった。

 スロープの入り口から恐る恐る遠ざかり、やや集まってしまった人混みの中に溶け込むように逃げて行く。


「お前みたいな小さい奴に何が出来るんだ? 俺は四年Sクラスの主席だぜ?」


「……いま私に言った? 死ぬ覚悟、できたかしらね?」


 明らかに周りの空気が重くなる。アレイシアが最も気にしている身長の小ささを馬鹿にされたからだ。


「俺がお前に殺されるわけが無いだろ、その言葉をお前にも返すぜ!!」


 そして男も、アレイシアの言葉に我慢ならなくなったのか、闘いを始めるべく前へと飛び出した。




 前書きの通り、更新が遅れてすみませんでしたっ /(_ _)\


 とりあえず、文章中では略していたアレイシアのデータです。

 魔力:七五一八 霊力:一二一 妖力:一四二 神力:六四三

 どこかにキャラ紹介のページを作って、このようなものも書き込んで行ければ良いと思うのですが――――はい、本編が先ですね!←


 感想やアドバイスなど入れてくださると嬉しいです。特に、改行辺りで違和感があるかもと不安なものでして。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ