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03-12 王都へ出発!

 今日は私が乗っ取ったわ!


 七篠言平の『Twtter』とか『つぶやいたー(すぴばる)』も、今日だけでも私の物だからねっ!


 じゃあ、遅れたけど本編どうぞ~!

 アレイシアが二度寝をしてから一刻が経ち、やっと彼女は目を覚ました。

 布団の中で足を動かし、寝返りを打つと、アレイシアの右手に何か硬質な物が当たる。重い瞼を開いて手の先を見てみると、そこには黒美さんから貰ったプレゼントが置かれていた。


 やはり、何故ここに置いてあるのかと小一時間問い詰めたい気持ちにさせられるが、そこでアレイシアはある事に気が付く。十字架の首飾りが、自身の首に掛けられているのだ。

 自身の傍に置かれているだけならともかく、首にまで掛けるとは。文字通り、まさに神業なのだろう。


 それから着替え終わったアレイシアは、ベッドの上に目を向けた。

 シェリアナは既に起きているのか、彼女が眠っていた場所の毛布は大きく捲られている。それを見たアレイシアは、鎌の棒と銀の許可証を机の上に置いてリビングへと歩き出した。



「おはよー! あ、クレアも居たんだ」


「はい。昨日セリアさんがここにいて、帰る気にはなれなかったんです」


 クレアはそう言い、側を歩いていたシェリアナを捕まえる。既に出掛ける準備は済んでいるのか、白い普段着の上から学園のローブを身に付けていた。


「それと、私は今日から王都に行ってくるけど……連れて行けなくてごめんね」


「いえ、大丈夫ですよ」


「じゃあ御土産買って来て?」


 御土産をねだるシェリアナの様子に、アレイシアは一瞬考えた様な表情になると、何か思い当たる事でもあったのか、僅かに間を空けてから話し始める。


「……なら、御土産に何が欲しい? 少し位なら欲張った注文も大丈夫だから」


 その会話を聞きつけたのか、ほとんど使われていない台所からフィアンが顔を出す。右手に持っていたジュースの瓶を台に置き、アレイシアの方へと走って来た。


「私は……杖系の魔導具で良さそうな物があったら欲しいです!」


「分かったわ。あと、二人は?」


「あ、えぇと……」


 アレイシアが言った、少し位なら欲張った注文も大丈夫という言葉。

 杖でも大丈夫という、予想外な許容範囲の広さにクレアは驚いた様だ。


「……私は、短剣がいい! 魔力伝導率の高いやつ!」


「短剣ね、大丈夫よ」


 シェリアナの希望も、あっさりと受け入れるアレイシア。

 実は彼女、以前から短剣が欲しいと言っていたのだ。しかし、彼女が欲しい魔力伝導率の高い物は、学園街のどこを探しても見つからなかったのである。

 なので、手に入れるなら今しかないと、シェリアナはアレイシアに頼む事にしたのであった。


「クレアは何が良い?」


「私は……」


「何でも良いのよ? 二人は魔導具が良かったみたいだけど、アクセサリー類でもいいし」


「なら、アリアさんに任せます。私に良いと思う物を買って来て下さい」


「分かった、これで三人分ね」


 アレイシアはそう言い、ベルトの右側に下げられたホルダーからメモ帳を取り出す。そして、備忘録の欄に日本語で書き込み始めた。


「あと、リセルはいる?」


「さっきもう行っちゃったよ?」


「そ、ならいいわ。リセルの御土産も考えようと思ってたのに……」


 アレイシアはそう言ってメモ帳をホルダーに仕舞う。

 しかしこの発言が後々『リセルはアリアの彼氏説』を増長させる羽目になるとは。彼女は全く思いもしなかった事だろう。




「私、行って来るからね」


「いってらっしゃーい!」


 校舎の入り口の前で、アレイシアは四人に見送られる。四人はこれから授業があるのだが、アレイシアはこの依頼のために、休日を取る許可を学園長直々に貰っていたのであった。


 これからアレイシアは、ギルドの前で待機している馬車に乗って王都へと向かう。

 学園の革靴と緋色のドレス風ワンピース、首に掛けられた十字架の首飾り。腰に巻かれたベルトの右側には、魔導書とメモ帳が入れられたホルダーが下げられている。更に左側には、アレイシア愛用の刀があった。これでも、アレイシアなりの正装なのだ。


 しばらく学園の道を歩き、ギルドの前に辿り着くと、既に待機していたのか十台程の馬車がアレイシアの視界に入って来た。

 受付のグルーヴも、アレイシアの姿を見るなり大きく手を振って来た。


「アレイシア、おはよう!」


「おはよー!」


 『元気な挨拶』を交わした二人は馬車の隣に立つと、早速と言わんばかりに話し始める。


「この馬車が、君が今回乗るやつだな。荷物とかはあるか?」


「無いわ。必要最低限しか持って来てないし」


「そうか、なら大丈夫だな」


 どうやらアレイシアが乗る馬車は、屋根まできちんと付いている、それなりに頑丈な造りのものらしい。所謂(いわゆる)幌馬車(ほろばしゃ)』の類が優勢なこの国ではあまり見かけないが、これでも貴族であるアレイシアは、幼い頃から非常に良く見ていたのであった。


 ——しかし、これにも問題はある。

 何かを改善すれば、結局は他の要素が欠ける原因にも成り得るのだ。

 この様な馬車は貴族が保有している場合が多く、金目の物を狙った盗人に狙われやすくなるのであった。


 とは言っても勿論、アレイシアの実力を持ってすれば、数百人構成の巨大盗賊を相手にしたとしても簡単に勝つ事が出来るだろう。


 ゆえに、本当なら他の馬車を用意して貰いたい所だが、彼女としてはどうでもいいという判断になってしまうのであった。盗賊に運悪く当たってしまったのなら、当然タダでは起きずにギルドで報酬を貰おうという考えだ。


「で、いつ頃出発するの?」


「これでも昨日から準備してたからな。君が出たいと言うのなら、今すぐにでも出れるぞ?」


「そう、到着は早い方が良いわ。すぐに出ましょう!」


「……だそうだ。お嬢様がお呼びだな」


 グルーヴが冗談めいた口調でそう言うと、その馬車の御者席から青年が顔を出す。人間で言えば十五歳程度の見た目だが、それが役に立たない事もあるのがこの世界だ。


「始めまして、御者さん」


「ああよろしく。……ほら、乗りな」


「ありがとう」


 御者さんは馬車の扉を開け、アレイシアに中に入るよう促す。

 それに従って馬車に乗り込んだアレイシアは、思いのほか柔らかい素材で出来ていた椅子に感嘆のため息を漏らす。前面には机もあるため、魔導書を開いて作業をしていても良いだろう。言ってみれば、まさに至れり尽くせりの馬車だった。


「行って来ます!」


「おう!!」


 アレイシアとグルーヴの会話を切っ掛けに、御者さんは馬車を走らせる。

 これから丸一日馬車の中だが、快適に移動出来るだろうと、アレイシアは安心して魔導書を机の上に広げた。

 感想評価や誤字脱字の報告、入れて行ってくれると嬉しいわ。

 入れて行ってくれないと、本当に寂しいんだからね?

 だからお願いっ! 入れて行って!


 ……そうそう、作者がサイトを作ってるみたいだから、期待せずに待っておいてくれると尚嬉しいわ。


 また次回!

 4/1で作者を乗っ取ったアレイシアでした~!

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