03-10 閑話
前回省略した吸血シーンです。
苦手な方は、用法用量をきちんと守って……ごほん。
読み飛ばしてもOKです。
まぁ、R-15には遠く及ばない程度だとは思いますが、一応。という訳です。
次話は、明日か明後日を予定中で御座います。
では、どうぞっ!
「立って?」
「うん」
椅子の後ろに移動したシェリアナは、アレイシアの腕を持って立ち上がる様に促した。
シェリアナの隣に立ち、背を向けたアレイシアは、髪を左側に寄せて右側の項を見せる。
今まで数回、吸血のために噛まれた事はあるのだろう。しかし、アレイシアの項には傷一つ無く、綺麗な白い肌があるだけだった。
逃げられない様にと、シェリアナは肩をがっしりと掴み、アレイシアの首筋を指で撫で上げる。血管がある場所を探り当てているのだ。
実はこの前、ヤマカンで細い静脈を当ててしまったシェリアナは、あまり血が出ない上に動脈の美味しさが足りないと、何度も何度もアレイシアに噛み付いた事があったのである。それを無くすためにも、シェリアナは血管を探り当てる事にしたのであった。
「……ここだ!」
指先に伝わる鼓動。温かい動脈の血が、確かにそこにあるのを確認した。
「いい? いただきまーす!」
御丁寧にも、食前の挨拶をしたシェリアナは、首筋の血管の位置に牙を当てる。
「あ……ちょ、くすぐったいから……」
プツッ
吸血鬼の鋭い牙は、いとも簡単にアレイシアの皮膚を貫いた。そして、上手く動脈の血管を探る事に成功したのか、紅い鮮やかな血液が彼女の首から溢れ出す。それをすかさず舐めとると、口をアレイシアの首に密着させた。
吸われてばかりではどうも悔しいアレイシアは、首を回して相互吸血に入ろうとする。
しかし、首を回すと同時にシェリアナも動き、どうしても彼女の首に噛み付く事が出来ない。
「私にも、吸わせてよ……」
「……ぷはっ! だめ。アリアはこの前も私の血を吸ったでしょー」
一旦口を離したシェリアナは、そう言うとまた首筋に顔を埋める。そして、先程よりも強く、思いっ切り血を吸った。
「っ……ぁ!!」
ちゅぅぅ……
それと同時に身体から力が抜けて、アレイシアはついその場にしゃがみ込んでしまう。
勿論、その程度で吸血を止める筈も無く。シェリアナは、アレイシアをうつ伏せの状態に寝かすと、その上から覆い被さる様な形で血を吸い続けた。
「ねぇ?」
「ハァ、何よ……」
「私の血、吸いたいの?」
再び口を離したシェリアナは、アレイシアの顔を見てそう言った。
何だかんだ言っても、シェリアナはアレイシアに血を吸われたいのかもしれない。或いは、一緒に吸った方が美味しく感じるのか。
どちらにせよ、アレイシアが言うべき答えは一つだけだ。
「うん……吸わせて」
「じゃぁ、ほら」
シェリアナは、髪を結んでいた紐を解き、アレイシアと同じ様に髪を左側に寄せた。
今度は、シェリアナが後ろにいる形では無く、互いが向かい合う形だ。床に座ったアレイシアは、シェリアナの上体を引き寄せると、首の後ろに顔を埋めた。
そして、すぐに始まる吸血。
服が血で汚れようが、床に血の池が出来ようが関係無い。ただ、互いの血を貪り尽すだけだ。
顎と首を伝った血は、服の内側に入り込んで朱い染みを作る。それが床に擦れると、かすれた筆で線を描いた様な血痕が広がって行く。
だが、吸血鬼も人間と同じ様に、血液を失えば気絶してしまう事もあるのだ。互いの血を吸い続けて数分。二人は失血が原因で、突然強い眩暈に襲われた。
ドサッ……
部屋の床に、抱き付いたままの姿勢で倒れるアレイシアとシェリアナ。しかし両者とも、まだ首筋からは口を離していない。
——否、離せないのだ。
吸血によって身体に力が入らない上に、血液不足がより気怠い感覚をつくってしまう。
そして、床に倒れ込んだ二人を見ていたリセルはというと————
「……吸血鬼って、凄いな」
「貴方も、吸血鬼に適合してれば……ハァ、良かったのに……」
「正直後悔してるよ。でも、あと十年はこのままだな」
——吸血鬼にならなかった事を、どうやら本気で後悔しているらしい。
最終的には、そのままの姿勢で気絶してしまった二人を、リセルはベッドまで運んで行った。
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