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03-01 学園内ギルド

 ……あれ?

 おかしいな……


 ワンシーン当たりの描写量がやたらと増えた気がする……?

 書き始めた時は1,500文字を予定としていたはずの文が、2,500文字に増えてたり(笑)


 では、本編どうぞ~!

 魔法魔術学園の広い敷地の中には、本来は冒険者のために設立されたギルドの支部がある。

 ギルド自体は冒険者向けの設備であるにもかかわらず、学園の中に支部があるのは何故か。それは、ギルドの中で最も大きい『依頼サービス』には、実践的な戦闘技術を磨く事が出来る、魔物の討伐依頼なども多く入って来るからだ。……むしろ、そっちがメインとも言えるだろう。


 現在アレイシアは、校舎の脇にある学園内ギルドの前に来ていた。入り口の扉を両側に押し開け、喧噪(けんそう)な建物の中へと入る。


「んー……」


 ギルドの中は長方形の広い部屋となっており、奥には受付の者と思われる人が三人立っていた。

 アレイシアは迷わずそこまで歩くと、彼女としては重要なある事に気が付く。アレイシアの視線の高さと受付の台の高さが全く同じなのだ。

 爪先立ちになって背伸びをし、何とか頭だけは台の上に乗せる。そこで、アレイシアの顔を覗き込む受付の男。


「……ギルドの依頼はどうやって受けるの?」


「え、受ける? てっきり依頼を出しに来たのかと……」


「そうね……第一学年で依頼を受ける生徒ってそうそう居ないらしいし」


「……ならやっぱり、依頼を受けるのは始めてかな? 学園証があれば今すぐにでも依頼は受けられる」


 アレイシアはそれを聞き、どうしたものかと考えを巡らす。学園証には、やたらと高い魔力量、この世界では知られていない霊力と妖力、神しか持ち得ない筈の神力についてが書かれているからだ。


 だが、こればかりは仕方無い。学園証を見せなければ、当然いつまで経っても依頼を受ける事が出来ないからだ。


 スカートのポケットから学園証を取り出し、受付の男の前に差し出すアレイシア。ちなみに今日の彼女の服装は、黒を基調としたワンピース風ドレスとなっている。


「……はい」


「えーと、一年Sクラスのアレイシア・メルヴィナ・ラトロミアさん……って、三日前の闘技大会で優勝した娘!?」


「そうだけど……あまり大きい声出さないで。周りが見てるから……」


「あ、あぁ、悪かった」


 ギルド内の他の生徒達の視線が突き刺さる。容姿から判断して、もしかしたら……程度の噂は既に飛び交っていた様だが、それもどうやら確信へと変わってしまったらしい。周りの人達は、アレイシアの方を指差してはコソコソと何かを話している。


「ほいっ」


 再び、アレイシアの方へと手渡された学園証。それをよく見てみると、名前などの項目の下に『ギルドランク:F』と書かれていた。


「そこに書かれているのが……まぁ、見ての通りだな。それでもう依頼は受けられる」


「……聞かないの?」


「ん? 何をだ?」


「……ならいいわ」


 どうやら、闘技大会で優勝した者の名前という事に目を奪われて、魔力量などの項目には目が行かなかった様だ。その事に安堵したアレイシアは、受付の男に問う。


「ギルドランクはどうやったら上げられるの?」


「そのギルドランクと同じランクの依頼を十六回受ければ、一つ上のランクに上がる事が出来る。それと、一つ上のランクの依頼なら八回、二つ上のランクなら四回、更に上で二回、一回と、上のランクに上がる事が出来るな」


「へぇ……で、その依頼はどこに?」


「そこの掲示板に上げてある。好きなのを取って来ていい」


 そう言い、壁際の掲示板を指差す男。

 その掲示板には、依頼の詳細が書かれていると思われる紙が大量にひしめきあっていた。紙が重なり過ぎているためか、明らかに隠れて見えなくなってしまっている依頼もある。


「……ねぇ、二つ目の掲示板を設置する気は無いの?」


「……あぁ、考えている」


 アレイシアは、掲示板の上から目を通して行く。その殆どがランクDとEであり、C以上やFは殆ど無かった。

 そんな依頼の中に、一際(ひときわ)目立つ大きい紙に書かれたBランクの依頼があった。やはりアレイシアは、その依頼の内容を興味津々といった様子で読んで行く。


「西の草原……ロアブ?」


「その依頼はちょっと難しいんじゃないかな? 西の草原周辺の草木を荒らし回っている巨大な魔物だそうだ。……まぁ、ロアブの被害も最近は全く無いんだがな」


 その説明を聞いたアレイシアは、脳内に少し引っ掛かる物を感じた。だが、大した事は無い筈だと、他の依頼を探し始める。今日ギルドに来たのは何も、魔物討伐の依頼を受けようと思って来た訳ではないからだ。


「やっと見つけた。これ……と、これ」


「お前……正気か!? それは両方とも盗賊の被害の依頼だぞ!?」


 実は、アレイシアが探していたのは盗賊関係の依頼であった。これは勿論、数度に渡ってアレイシアを殺そうと企てたソルフの手掛かりを掴むためだ。これで手掛かりも何も掴めなくても、少なくとも人助けにはなる。そう考えたアレイシアは、遂に実行に移す事にしたのだ。


「分かってる。私はいつでも正気よ」


「そう言う奴が一番正気っぽくない……」


「大丈夫! この二枚の依頼でお願い」


「……はぁ……本当に大丈夫か?」


 その意見も尤もである。

 ——依頼を遂行するに当たり、自身の身に如何なる災難が降り掛かろうともギルドは責任を負わない。

 これが、ギルドの暗黙の了解だ。これでは尚更、アレイシアの様な幼い少女を盗賊の元に行かすなど、受付の男にとっては良心が痛むという物だった。


「だから大丈夫だって!」


「大丈夫……かな? まぁ、闘技大会でもあんな凄い戦いをした娘だし……な?」


「……そういうわけで。よろしく、おにーさん!」


「あ、あぁ。分かった……その紙から必要な情報を書き出しておくと良い。主に、場所やら人数だな」


 そう言われたアレイシアは、持参のメモ帳に依頼内容を書き写して行く。この時に使っているのは何故か日本語だ。それは精神の故郷の言葉。忘れる訳にはいかないと、百年以上も復習を続けて来たのだ。


 この時アレイシアが実際に、日本語でメモを取った物がこれである。


 一つ目。ティルフ山の南側、自ぜんのどうくつを使ったかくれ家を持っている。人数は少なめで四人。Cランク。

 二つ目。同じくティルフ山の、北側の頂上近く。トンネルとしてほられて工事が止められた穴を使っている。二十人以上いるといううわさがある。Bランク。

 両方、とうぞくの長を倒せば大丈夫。


 若干、漢字が頭から抜け落ちてしまっているのは御愛嬌。むしろ、日常的に日本語を使わない環境にありながらも、百年以上も平仮名を忘れないというのは凄い事だ。吸血鬼は頭脳的な所でも人間に勝るのかもしれないと考えたアレイシア。人間と吸血鬼、二つの種族を経験して来たからこそ思い付ける事だった。


「書き終わったから、後は良いよね?」


「あぁ。くれぐれも盗賊には捕まらにようにな。何されるか分かったもんじゃない……」


「分かってるっ!」


 アレイシアのその一言に、本当に分かっているのかと心配になる受付の男。

 ギルドの建物から出て行ったアレイシアを見送った後。彼女が取った依頼の紙を整理するべく、再び受付の台へと向かって行った。

 誤字脱字の報告や、感想評価アドバイスなど、いつでも待っています!



~どこが謎だか謎コーナー~


アリア「私の絵がいっぱいだ~♪」


クレア「嬉しそうですね」


アリア「今、セリアの絵も書いてくれる人がいるんだって!」


セリア「いいでしょ~!」


フィア・クレア「……私達は?」


七篠「自分としては、四人並んだ絵もいいかなぁ、と思うけど」


クレア「いつか、描いて頂きたいものですね」


アリア「では、感想評価など、お待ちしておりま~す♪」


セリア「評価、入れて行ってね~!」

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