02-24 少女二人の吸血行為
今回は短いですが、番外編的に吸血オンリーの回にしてみました。苦手な方は読み飛ばしても大丈夫です。
念のため、R-12と言っておきます。
……何故か、吸血行為に期待している方も多かったので、ならば期待に答えねばと思いましてね(笑)
あと、ユニークアクセス20,000超えました! 読んで下さっている読者の皆様、ありがとうございます。
王都から帰って来た四人は、明日から再開する授業に備え、風呂に入ってすぐに就寝した。
——就寝した、筈なのだが……
「アリア、ちょっと血を吸わせてよー」
「えー……」
「まだこれで二回目でしょ」
何故か、シェリアナがアレイシアの部屋に残る事となり、ベッドの上にはアレイシアの血を吸おうと交渉するシェリアナの姿があった。窓から差し込む月明かり以外、照明となる物は無い。
「吸わせてよー……」
「…………はぁ、いいわ。私にも吸わせなさい」
「ありがとっ! じゃぁ早速……」
そう言って、アレイシアの首に口を近づけるシェリアナ。わずかに開いた唇から覗く牙が、アレイシアの首にぴたりと添えられた。それがくすぐったいのか、アレイシアは背筋を震わせる。
「ん……吸うなら早くしなさいよっ!」
「分かった。頂きまーす!」
プツッ……
皮膚を貫いた牙はそのまま血管を突き破り、濃厚な魔力を含んだアレイシアの血液が多量に溢れ出した。前回と同様に、出来るだけこの美味しい血を逃さない様に、無駄にしない様にと、シェリアナはアレイシアの首に口を押し付ける。口内に広がる甘美な血の香りに、シェリアナはうっとりとした表情を浮かべる。
……ポタポタッ
「んぁ……!」
シーツに血が垂れる音に反応し、シェリアナはつい口を離してしまう。口から垂れた血が、更にシーツを真っ赤に染め上げる。
「ハァ……ハァ、次は私ね。私も……吸うからねっ!」
「ひぁっ!」
シェリアナを抱き締め、自身が上になる様にアレイシアは転がった。首を伝ったアレイシアの血が、シェリアナの顔の上にポタリと落ちる。
「……私も、頂きまーす!」
……プツッ
「つっ……!」
一瞬痛そうに顔を歪めるシェリアナ。だが、痛いのは最初だけ、その後はすぐに力が抜けてしまうだろう。吸血とは常に、吸われる側に抵抗されてはならない行為なのだ。———吸血鬼同士の場合を除いて。
「あ……私も……っ…………おかわりっ!」
「っ!?」
シェリアナの血を貪るかの様に吸うアレイシア。彼女の首に、再びシェリアナは口を付けた。
「んんっ……んむぅぅ!」
「むっ……んぅっ!」
二人は苦しそうな声を漏らす。それもその筈、互いの吸血でただでさえ力が入らないのに、首元に顔を埋めているせいで呼吸がしにくいのだ。口元からは飲みきれなかった血が溢れ出し、二人の白い肌を紅に染める。
それから暫く血を吸い続けた二人。既に息も絶え絶え、貧血状態になっていた。アレイシアは何とか体を腕で支え、上半身を持ち上げる。すると突然———
ガクッ……
「……ハァ……ぁ」
「ぁ……アリア?」
……ドサッ
アレイシアはシェリアナの上に、覆いかぶさる様に倒れてしまった。恐らく貧血による気絶だろうとシェリアナは考え、アレイシアをそっと横に寝かせておいた。
「アリア、おやすみ……」
「すー……すー……」
血臭漂う部屋の中、月明かりに照らされた少女達の吸血行為は、こうして幕を閉じた。
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アリア「感想を書きたくな~る、書きたくな~る……」
セリア「ちょっ!? 催眠術はダメだって!」