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(私は今気づいたのです、この乙女ゲームの攻略サイトしか見ていないことに)
★★★★★★★★★
10年前
豪華なシャンデリア。美しき白い壁。繊麗された装飾品。そう、ここは王宮の一室である。
「エリィ、今日は俺が探すからお前はは俺が100数えているうちに隠れろよ」
美しいブロンドの髪、深い緑の目。この人は私の婚約者でこの国フロンターレ王国の第二王子、アニエス様。
「はい、アニエス様」
当時の私は前世のことなんて何も覚えていないただの公爵令嬢だった。私はいつも振り回されているアニエスを逆に振り回そうと王宮の図書館に隠れることにした。
「久々に入ったけどやっぱり広いなぁ」
私は図書館の広さに惚れ惚れしていた。
かなり量のある本が様々な種類で分けられて並んでいる。
「この部屋、何だろう」
図書館の奥に古びた扉が備え付けられている。私は興味本位でその部屋の扉を空けた。
こんな部屋見たことがない。壁一面にたくさんの本が並んでいる。そのなかの一つに極めて惹かれるものがあった。私はそれを手に取って開いた。
その本に題名はついていなかった。本の中には大粒のルビーが一つ嵌め込まれていた。
「何でルビーが?」
私はそれに触れた。その瞬間ルビーから光が発せられた。私は反射が間に合わず、目に光を浴びた。その時前世の記憶が流れてきたのである。
私は椎名美琴。25歳で普通のOLとして働いていた。趣味はアニメにゲーム。つまり、俗にいうオタクだ。ゲームと言ってもRPGではなく乙女ゲームが好きであった。
乙女ゲーム“宝石が導く恋”
平民の子であったアイラが男爵の娘だと分かり、王立の学園に通うこととなる。アイラは学園の図書室で一冊の本と出会い、その本の中にはある宝石が人間となりアイラの運命を左右していく…
という内容で私はそのゲームがとても欲しかった。ただ、発売当時は金欠でゲームが数カ月買えなかった。私は待ちきれなくて攻略サイトをチェックした。スチルに攻略対象の名前や属性。すべて見たつもりだった。でも、七年間のブランクがあったためにかなりの情報が頭から抜けていたのだ。
それよりも、私の前にいるこの人って…




